ステーブルコインを発行するテラプロトコル(Terra Protocol)の仮想通貨”LUNA”は、史上最高値を記録した4月の119.55ドルからわずか1ヶ月少しで0.0016ドルへ暴落。この暴落に伴いLUNAに依存するステーブルコイン”UST(Terra UST)”も1ドルから最大で0.2ドルに暴落し、発行の裏付けとなる価値が毀損。これに伴いバイナンス(Binance)やビットメックス(BitMEX)、は先物取引の廃止となり、仮想通貨取引所でも取引の停止が発表された。

 

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LUNAの先物取引廃止を仮想通貨取引所が発表

アルトコイン最大手の仮想通貨取引所”バイナンス”は、LUNA/USDTの先物マージン取引を2022年5月12日 15:30(UTC)に対象コントラクトの強制決済を行い、その後にLUNA/USDTの先物取引を廃止すると発表した。

また元最大手仮想通貨デリバティブ取引所の”ビットメックス(BitMEX)”も5月12日 20:00UTCにLUNA/USD、LUNA/USDTパーペチュアルコントラクトを廃止すると発表。バイナンスと同様に同日に強制決済を行うとしている。

ビットメックスがLUNAを上場廃止した理由として、手数料支払いの計算を行う”ファンディングレート”を決めるためのLUNA現物価格を正しく取得できないことが理由としている。

LUNAの現物取引を仮想通貨取引が規制

またLUNAの先物取引だけでなく、ウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所”ジェミニ(Gemini)”ではLUNA/USDTペアの取引をリミットオーダーのみに切り替えを行うと発表。さらにCrypto.comではLUNAの取引を一時的に停止して売却ができなくなり、LUNAの引出しも停止されたが現在は再開されているという。

 

LUNA価格は最高値から1ヶ月で74000分の1へ

テラプロトコルが発行する1ドルにペッグを市場の需要で目指すステーブルコインの”UST”は、LUNA価格の大暴落に伴いほとんど裏付けがない状態が続いており、現在は0.44ドルを推移しているが不良債権となっており裏付けがない状態だ。

LUNA価格は創設者のDo Kwon氏が「DAIは俺の手で死ぬ」とアルゴリズミックステーブルコインの最大手メーカーダオ(Maker DAO)がイーサリアムやビットメックスを担保に発行するDAIを挑発した後に最高値の119.55ドルを記録。その後わずか37日で74000分の1へと暴落したことになる。

これはLUNAの高騰で1億円を一時的に手にしたユーザーの資産が現在では”1351円”にしかならないことになる。

テラ(LUNA)のセキュリティ問題が浮上

さらにLUNA価格がほとんど0へと暴落したことで、テラネットワークは非常に安いコストでネットワーク攻撃を仕掛けられる可能性が浮上している。さらにLUNAを用いたガバナンスではかんたんに投票を妨害することが可能となるため、7603700ブロックでLUNAバリデータがネットワークを停止するという前代未聞の自体となっている。

この停止により攻撃者がLUNAをほぼ無価値で大量購入し、ガバナンスを妨害することを防ぐことが理由だ。さらにテラプロトコルを開発するテラフォームラボ(Terra Form Lubs)はLUNAを自身でステーキングし、ガバナンス攻撃を防止するとしている。

運営者の意図とは反してUSTの償還は進んでおらず、LUNA価格の回復とUSTのペッグ崩壊是正は非常に厳しいと言えるだろう。

 

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