- 「Binance X」正式発表
- 仮想通貨取引所バイナンスが「Binance X」という開発者向けの新たなプラットフォームを公開した。開発者を支援して経済圏構築を促進、仮想通貨の普及を高める狙いだ。
「Binance X」正式発表
世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスが、「Binance X」という開発者向けの新たなプラットフォームを正式にローンチした。本プラットフォームを開発した最終的な目的は、仮想通貨の普及を促すことだ。
Binance Xは、経済圏を構築するブロックチェーンを開発者が学び、導入することを支援する。バイナンス独自のパブリックブロックチェーンである「バイナンスチェーン」や「Binance.com」のAPI、Trust WalletのSDKなども学習対象になる。
Binance X担当チームの責任者Teck Chia氏はThe Blockに対し、「Binance Xの長期的な目的は、開発者が生み、その後も成長を続ける開発者経済圏をさらに発展させることだ。この経済圏では、仮想通貨の普及を高めるプロダクトやサービスが開発され、仮想通貨の経済圏が拡大している。」と語った。
Chia氏は、バイナンスで開発者向けの製品が増加しており、またバイナンスのプラットフォームで製品やサービスを開発するサードパーティーの開発者も増えている今こそ、Binance Xをローンチすべき時だと話した。「開発における全ての段階で、こういった開発者が成功できるように支援するべきだ」と説明している。
バイナンスは先週、Binance Xに関して、期待させるような先行発表を行っていた。
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今では公式ブログで詳細が公開され、開発者は様々なパートナーシッププログラムを活用できる。プラグラムとは、例えば、開発者や研究者を支援するBinance Xフェローシップ、アーリーステージのブロックチェーン・プロジェクトを支援するバイナンスラボのインキュベーション、バイナンスのICOプラットフォーム「Binance Launchpad」などだ。
Binance Xフェローシッププログラムでは、40以上の開発者とプロジェクトが稼働中だとバイナンスは明らかにした。例えば、バイナンスチェーンを活用したスマートフォンアプリGoBNB、バイナンスチェーン上のモジュール「BEPTools」、バイナンスチェーン用のウォレット「BrowserBNB」、ウェブウォレット「Burner Wallet」などの各代表者・開発者も参加している。
Binance Xがどのようにプログラムへの参加者を選別しているか質問したところ、Chia氏は「誰もしていないプロジェクトかということと重要性を基準にしている」と回答。また、プロジェクトがオープンソースで、コミュニティ全体で利用できるかも重要だという。「我々は、柔軟で独創的なアイデアやプロジェクトに対しては非常に寛容で協力的だ」とも説明した。
その姿勢を証明するため、Binance Xでは、開発者に期待する、特にバイナンスチェーンのエコシステムに関するプロジェクトやアイデアのリストも作成している。リストで示されているのは、一般投資家が利用するような投資プラットフォーム「Robinhood」タイプのUX(ユーザーエクスペリエンス)やマニュアルでトレードをするプロ投資家向けのシステム「Bloomberg Terminal」等だ。
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Chia氏は、「我々のプラットフォームを活用するサードパーティーの開発者が、仮想通貨の普及を拡大するような、独創的で革新的なプロジェクトを生み出すことを期待している」と語った。
バイナンスの事業拡大の速さ
バイナンスは、新しい製品やサービスを短いスパンでローンチし続ける数少ない取引所だ。バイナンスコイン(BNB)、イーサリアムクラシック(ETC)、テザー(USDT)の保有者が決まった金利で収益を得られる貸付サービスを発表したのは先日のことだった。
そしてバイナンスのCEO CZ氏が、ツイッター上のAMAにて、9月中にも先物商品の取引を開始することを発表したのは一昨日の28日である。
さらにバイナンスは、米フェイスブックが主導する仮想通貨リブラに似た独自仮想通貨「ヴィーナス(Venus)」の計画も今月発表したばかりだ。バイナンスは既存の金融覇権の概念を壊し、ヴィーナスを利用して新たな国際金融システムを構築しようとしている。