金融領域でのブロックチェーンの活用について主要な領域5つ紹介

ブロックチェーンは金融のさまざまな部分に適用できる技術です。多くのニュースで目にするように実験的な取り組みも含めると、世界中で取り組みが行われており、ブロックチェーン活用が最も期待される分野は金融業界であるという声は少なくありません。

本コラムでは特に事例が豊富な5分野を簡単に紹介します。

有価証券にあたる資産をブロックチェーン上で構築

まず現実の有価證券をブロックチェーンう上で表現するもので、セキュリティトークンと呼ばれるものです。

日本においても2020年に試行される金商法の改正でセキュリティトークンに類するトークンが明確になろうとしており、この分野で取り組みをする金融事業者は増加しています。主要なプレーヤーとしては、ティーゼロ(tZero)やセキュリタイズ(Securitize)などが存在します。

サプライチェーンファイナンス

貿易金融やサプライチェーンファイナンスでのブロックチェーンでの活用も注目される分野です。最も有名な事例としては、マースクとIBMが主導するTradeLens(トレードレンズ)でしょう。

TradeLensは、貿易プラットフォームであり複数業者が関わる貿易プロセスで、書類の検証や支払い確認の時間を短縮できるとしています。IBMによると、輸送時間を40%短縮でき、2020年には商用化されることが見込まれています。

決済ネットワーク

決済ネットワークをDLTで構築することは、世界的に数多くの取り組みがある分野です。内国為替、または国際送金のネットワークでの利用が目論見です。

DLTを利用した国際送金として有名なプロジェクトはリップル(Ripple)ですが、後発して既存の金融機関でJPモルガンがJPMコインを発表、エフナリティ(Fnality)によるユーティリティー・セトルメント・コイン(USC)、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)による取り組みなどが事例として挙げられます。

これらはメディアでは度々「ステーブルコイン」と表現されますが、その実態は複数金融機関で二重支払い不可能・検証可能なネットワークを構築し、その上で現実の法定通貨と同様の借用証書をやり取りするもので「決済ネットワーク」が適切です。

複数社間で連携する新しい時代のERP

ビジネスロジックをブロックチェーン上で構築し、ファイナンスとの動きを結びつけリコンサイルを効率化、他社との連携を効率化するような事例です。取り組み例としては、EYなどが挙げられます。

証券取引所のポストトレードへDLTの適用

証券取引所のポストトレードのバックエンドの仕組みにDLTを活用するケースです。例えば、証券の約定照合業務の仕組みは、複雑かつ相互運用性に問題を抱えています。

これにDLTを適用する場合があり、日本国内においては東京証券取引所が2016年から複数回に渡る実証実験を行っており、詳細なレポートも配信しています。

いかがだったでしょうか。ビットコインから始まり注目されたブロックチェーン技術ですが、現在では金融領域に限定しても非常に多くの領域で活用方法が模索されています。

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