ドイツが分散型エネルギー資源の管理に分散型台帳活用へ

ドイツの連邦エネルギー機関であるドイツ・エネルギー機構(DENA)が、分散型エネルギー資源(DERs)のデジタルレジストリー構築に、ブロックチェーンの非営利団体であるエナジーウェブ(Energy Web)を選んだ。エナジーウェブが10月13日、発表した。

ドイツのエネルギー資産を分散型台帳に自動登録

エナジーウェブは、ブロックチェーンを使った分散型エネルギーの管理・運営を行っている非営利団体。オープンソースの分散型オペレーションシステムを使い、あらゆる顧客の所有するデバイスがエネルギー市場に参加できるように試みている。

この技術を使いドイツ・エネルギー機構は、デジタルIDの管理を計画している。サーモスタット、太陽光発電システム、バッテリー、電気自動車の充電ステーションといったドイツのエネルギー資産にデジタルIDを付与し、分散型台帳に自動的に登録する。

なおこのプロジェクトは、ブロックチェーンマシンアイデンティティ台帳(Blockchain Machine Identity Ledger:BMIL)と命名された。BMILには、20以上の業界企業、およびテクノロジー企業であるボットラボ(BOTLabs)、パリティテクノロジー(Parity Technologies)、リドル&コード(RIDDLE&CODE)、50ヘルツ(50Hertz)が協力しており、13日の発表時点で実行段階に入っている。

世界のエネルギー部門にとっても驚くべき発展

ドイツ・エネルギー機構でエネルギーシステムとデジタル化のリーダーを務めるフィリップ・リチャード(Philipp Richard)氏は、「分散型のデジタルエネルギーシステムの実装を成功させるには、まだ多くの課題がある」と話している。また同氏は、「デジタルIDは、数百万もの生産者やストレージシステム、消費者からの情報の自動交換が安全で信頼できることを保証するために非常に重要だ」と述べている。

またエナジーウェブのチーフカスタマーオフィサーを務めるジェシー・モリス(Jesse Morris)氏は、「これは、ドイツだけでなく世界のエネルギー部門にとっても驚くべき発展だ」とし、「現在世界で4番目に大きな経済の電力セクターが、デジタル化された分散型の未来に向けて決定的な一歩を踏み出した」とも語っている。

参考
DENA Selects Energy Web to Build Prototype Identity Registry for Germany’s Energy Market

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文:かにたま

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