プランB(Plan B)氏によるビットコインの希少な供給量に基づいた分析モデル「ストック・トゥ・フロー(S2F:Stock-To-Flow)」によると、最終的にビットコイン(BTC:Bitcoin)価格は、10万ドル(約1,050万9,700円)から100万ドル(約1億509万7,000円)の間に位置すると予測されています。しかし、S2Fモデルにおける過去のサイクルと比較すると、現在のビットコインの価格は過大評価されているように見えてきました。
現在のビットコイン価格は過大評価?
ビットコインに人気がある理由のひとつとして、総供給量が2,100万BTCに制限されているという点があります。実際の流通はそれを下回り、また数百万BTCは永久に失われるか凍結されるかにしても、潜在的には過去に類を見ない資産となる可能性があります。また、同様に供給量が限られている資産の「金」と比較されることは、ビットコインをデジタル版の金として、その価値を高める役割を果たしています。
これまで、希少価値に基づいたゴールドの評価付けを試みるべく、いくつかの分析モデルが作られてきました。そのようなモデルの仮想通貨版としてビットコインの価格予測に利用されているのが、アナリスト「プランB」氏によるS2Fモデルです。このモデルはアメリカのニュース専用チャンネルCNBCや、他の仮想通貨アナリストの間で幅広く引用される他、仮想通貨コミュニティでは最も信頼できる指標として評価されています。
SFモデルによると、ビットコインは最終的に10万ドルから100万ドルになることを予測しており、過去の価格変動は完全にSFモデルの予測と一致しています。しかし、前回の強気相場と比較すると、現時点ですでにS2Fモデルの中央値を上回るほどの価格に到達しており、ビットコインの価格は過大評価されているようにも見えます。
Like clockwork pic.twitter.com/njp3IR0i4e
— PlanB (@100trillionUSD) February 25, 2021
短期ではなく、長期の保持がベストか
ビットコインの価格推移は、前回のサイクルと見た目上は違っているものの、S2Fモデルは正確に機能しているように見えます。また、ビットコイン価格が中央値を超えた際には、2011年や2019年に見られるように価格調整のための急激な下落が起きています。
現時点でSFモデルの中央値を上回ったことは、どちらか2つの可能性を示しています。1つは、今回のサイクルは2017年よりもずっと強気傾向であり、現在は上昇トレンドの最終波となった可能性です。そして、もう1つは10万ドルに向かうための上昇トレンドが発生する前に、ひと足早く価格調整が起こる可能性も存在します。
結局のところ、ビットコインが正確にS2Fモデルに沿った値動きを続けるのであれば、中央値を上回ったことや価格調整の有無といった現在の事柄を考えるのではなく、現物のビットコインを長期保持することが最も利益をもたらす方法なのかもしれません。
参考
・Bitcoin Currently Overvalued By Stock-To-Flow Standards
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