ビットコインを始め、市場が盛り上がりを見せた5月でしたが、実際のプロダクトはどうなっているのか?今回はETHプラットフォームを利用しているユーザーボリュームから見た市場調査をレポートします!

ビットコイン高騰の本当の要因は?

2019年の4月から6月にかけて市場が盛り上がった理由は色々とあると思いますが、ブロックチェーン事業を行っている方々に聞くとこんなことをよく耳にしました。

業界に変わったことは特になかったような…

実際のところ、私もSNSを見ていましたが、ブロックチェーン市場で何かあったようなことはなく、価格上昇と共に新規ユーザーはもちろん、休止していたアカウントが一気に増えていった印象でした。

そこで何か気づけることがあるか、ここ1ヵ月のDAPPS市場のボリュームを調査してみることに。

  • 通貨:ETH・イーサリアム
  • 期間:4月27日~5月26日

トランザクション数/取引高(USD)を見ていきます。

今回の調査では、各カテゴリによってデータが異なるため、以下の3カテゴリに分けます。

  1. マーケット/トレード
  2. カジノ/ギャンブル
  3. ゲーム

ボリュームが大きい順にトップ10のプロダクトの合計を市場ボリュームと仮定します。調査データは100%正確なものではないかもしれませんが、ある程度の目安にはなると思います。

ETH・イーサリアムのプロダクト市場規模の現状

BTCと比例して価格は上昇していますね。1日時点の166 USDに対し、31日には286 USDまで上がっています。上昇幅は58%です。市場はどうでしょうか?

結論から言うと「価格の上昇と市場データは比例しませんでした」が、カテゴリごとに極端なデータが取れたので解説していきます。

上記の表にある「trade vol」は、トランザクションを介した数です。また「Volume」はUSD建てで算出された取引高です。

仮想通貨界隈のSNSアカウントを見ていると、「マイクリプトヒーローズ」や「くりぷ豚」など、国産のブロックチェーンゲームが盛り上がってはいますが、DAPPS/ゲームで見るボリュームは全体の1%(未満)しかないのが現状です。

しかし、取引高では一番高く、ユーザーごとに取引する単価が高いことを示しています。

実は、このトランザクション数の少なさには理由があります。

ゲームでは多くの処理が必要になるため、マイクリプトヒーローズなどは多くのデータはオフラインで動かして、ユーザー資産に繋がるアセット(キャラクターやアイテム)のみをオンチェーンに記録する形で対応しています。

その為、仮に全てのデータをオンチェーンに記録した場合は、恐らく各カテゴリの中でも一番のボリュームになる可能性があります。

ETH:人気プロダクトの売上/ユーザー規模はどれぐらい?

各カテゴリTOP3(DAU比)プロダクトの表です。

ユーザー数を見てもマイクリプトヒーローズがETHプロダクトの中で一番DAU(日/ユーザー)が多いです。MAU(月/ユーザー)で見ると数倍あるIDEXやLIMITLESSなどありますが、リテンション(定着率)がゲームと比べて悪いので離脱しています。

マイクリプトヒーローズ(ゲーム)は初めて利用してから4週間後のリテンションが86%ありますが、IDEX(マーケット)は9%、比較するとその差に驚きます。リテンションデータはウォレットアドレスのトランザクションを元に算出されているため、ある程度は正確です。

新規ユーザー数で見るとマーケット(IDEX)が一番多く、時点でカジノ(FCK)です。ゲーム(マイクリ)は他2つと比べると数が少ないですが、ユーザー数を増やしてもリテンション(定着率)を維持できるならば、トークンの価値として、価格にも影響を及ぼしそうです。

そこで、データから分かる売上の仕組みを1つ1つ見ていきましょう。


カジノ/ギャンブル

主にギャンブル系のDAPPSは、ゲームごとに手数料をとって売上を上げていると見えがちですが、実際のところはユーザーの負け額がそのまま売上/利益に繋がるため、手数料を取らずとも売上を伸ばすことが可能です。

特にギャンブルは他2カテゴリと比べてリテンションが低いため、既存のポーカーやバカラ、ルーレットやスロットなどが出てくると伸びてくる可能性があります。

マーケット/トレード

逆にマーケット(DEX)などは、管理する取引所がいるわけではないため、取引手数料がプロダクトの売上となります。よって、同市場では取引回数/取引高を伸ばすことが必要になるため、この点が他カテゴリと比べてボリュームが大きくなる理由となっています。(一部例外あり)

最近、バイナンスでDEXがリリースされていますが、既存の取引所からDEXの流れは今後出てくるかもしれません。既に多くのユーザーがトークンを所持していますので、きっかけがあれば大きく伸びるでしょう。

ゲーム

ゲームについては、従来の市場とは異なり、ユーザー間のアセット売買がサードパーティ(別プロダクト)で行われるため、ゲーム内での売上とは別にアセット売買が行われる手数料も売上として計上できます。

この先、ゲームの売上は、アセットの売買手数料のほうが本プロダクトの売上よりも上回る可能性があると見ています。

他の通貨はどうなのか?

日本ではETHプラットフォームのプロダクト発表が目立ちますが、海外ではTRX(トロン)やEOSのDAPPSがETHと同様に発表されています。

ETHと同じようにデータを並べてみました。上から、ETH/TRX/EOSです。

ETHと比較してみても分かる通り、いずれもETHを上回る規模です。

どちらも中国マーケットを中心にユーザーを集めており、TRXの方がより海外向けにリリースされるプロダクトがあるという印象を持ちます。

TRX

TRXは日本に進出するにあたり、金融庁との話で「ギャンブル系は制限する」と日本のレギュレーションに則る発表がありました。

現在のバランスをみる限り、ギャンブル系が93%を占めているので今後どのように事業を広げていくのか注目したいですね。

EOS

EOSは中国語のみのサポートが多く、その殆どが中国のみでマーケットが完結しています。

日本を始め、海外のユーザーを取りこむ動きが見えた時がトークンの価格に影響するタイミングかもしれません。

まとめ

今回の調査では、価格に比例して市場ボリュームも前後するのかを最初は気にしていましたが、最初にお伝えしたとおり「価格の上昇と市場データは比例しません」でした。

しかし、それぞれのプラットフォームによって偏りがあることや、カテゴリによって特徴があることがお分かりいただけたと思います。

昨年と比べてDAPPS市場も緩やかに伸びていますので、今後はプロダクトの規模などをファンダメンタルのひとつと見て投資・トレードしてみるのも面白いかもしれません。

長くなりましたが、これで終わり!

国内最大規模でDAPPS情報を発信していますので、宜しければそちらも合わせてご覧ください。

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