今後2年間の暗号通貨相場を強気にする可能性のあるいくつかの理由

ETHHUBのAnthony Sassano氏は、今後2年間、暗号通貨市場を強気にする理由を以下のように挙げています。

  • ICOの環境変化
  • 暗号通貨の知識リソースの充実
  • 機関投資家の環境の整備
  • ビットコインの半減期とイーサリアムのPoSの移行によるHype
  • DAppsにUI/UXの劇的な改善
  • STOがこれまでと異なる種類の投資家の資金流入源になる

筆者はこれらの全てには同意をしているわけではなく、特にICO環境が変化したとしても、なにか大きな影響があるとは思えません。しかし、強く同意出来るポイントは多く、おおよそはこの通りだと思います。

特に重要であると感じるポイントを3つ取り上げます。

暗号通貨市場を強気にする理由の特に重要なポイント3つ

機関投資家の環境の整備

再三の指摘がされている通りですが、やはり重要度が高いので、改めて取り上げる形になりますが、機関投資家の参入でしょう。これについては下記のコラムが詳しいです。

関連①
暗号通貨の相場はすでに機関投資家のOTC取引が主戦場である、という個人投資家が認識すべき事実

関連②
ビットコイン(BTC)に対する期待感、個人よりも機関投資家の方が強い:Fundstrat調べ

機関投資家の本格的な参入は時間がかかるものの、それらには様々な準備が必要です。基準価格を取得するためのプライスフィード、カストディ、カストディがあったとしても万が一があった時のための保険、急な相場変化があったときのためのヘッジ商品など、挙げたらきりがありません。

現在、こういったインフラストラクチャーの整備を様々な業界企業がしている最中です。

ビットコインの半減期とイーサリアムのPoSの移行によるHype

次にBitcoin(ビットコイン)の半減期とEthereum(イーサリアム)のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行という大きな市場テーマも注目されるでしょう。ビットコインは、4年に1度半減期があり、マイナーのブロック報酬が半減します。それが来年2020年です。

ビットコインの半減期は、過去はこの前後にビットコイン(BTC)の価格を上げてきました。こういった過去の経験則を踏まえて、市場参加者が半減期を意識してビットコインが強気になる可能性はあります。実際にところ、全体の供給量が限定されているというビットコインの性質が意識される良いタイミングです。

イーサリアムについては、PoSへの移行がいよいよ現実的に差し掛かり、移行をするとETHの投資家は保有ETHをロックアップして、ブロックリワードを受け取ることができるようになります。つまり、保有のインセンティブが高まることから、買いが入る可能性があります。

DAppsにUI/UXの劇的な改善

次にDApps(分散型アプリケーション)のUI/UXの改善です。最近は多くのインターフェイスに優れたアプリケーションが誕生しています。Augur(オーガー)の予測市場を簡単に使えるVeil、MakerDAO(メイカーダオ)とDAI(ダイ)に簡単にアクセスができるInstaDAppなどが良い事例でしょう。

関連:ブロックチェーン利用の予測市場Veilがローンチ、2つのプロトコル(Augur・0x)を使用

これらは暗号通貨の潜在ユーザーを増やし、とりわけETH、またはBTCにも大きな価格の影響を与えうる要素です。これは下記のコラムにも詳しいです。

参考:ETHを投資対象として検討する。将来価値を考えるために見るべき指標、考え方

以上を理解したうえで知っておくべきこと

以上が、今後2年間の暗号通貨相場を強気にし得る理由です。これらの要素は、暗号通貨市場を強気にする要素であり、これらの準備は業界的には確実に進んでいる分野です。ですから、個人的には相場にかなり強気の立場をとっています。

一方で、強気相場を妨げる要因を挙げるとすれば、株式市場などマクロ景気全体が崩れたときです。そのときは、上記の暗号通貨市場のポジティブ要因などを軽く吹き飛ばすくらいにこの市場はまだ規模も小さく、そのうえもろいとも思っています。

今後1-2年以内に、マクロ景気の悪化を予測する声は多くあります。歴史的にも10年に1度の頻度で経済危機は訪れており、そのサイクルに照らし合わせれば、サブプライムショック以来の経済危機はそろそろである可能性もあります。

暗号通貨市場単体ではポジティブな要素が多くとも、経済全体にも注視をする必要があるといえるでしょう。

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