北紡は4日続伸、ビットコインのレンディング運用開始

記事概要・120文字結論

北紡株式会社(証券コード:3409)が2025年11月26日、SBIデジタルファイナンスとのパートナーシップに基づき、保有ビットコインの一部をレンディング運用する方針を発表。総額8億円の投資枠のうち約1.6億円で取得した9.25BTCの約半分を対象に、安全性と利回りを両立する新戦略が株価4日続伸を牽引し、伝統企業による暗号資産運用の実践モデルとして注目を集めている。

この記事でわかる3つの重要ポイント

  1. 【最新動向】北紡が2025年11月に公表したBTCレンディング運用の具体的仕組みと提携先
  2. 【数値分析】総額8億円の投資枠のうち約1.6億円を投じて9.25BTCまで積み上げたドルコスト平均法戦略
  3. 【実践方法】上場企業が暗号資産を財務戦略に組み込む3ステップと、個人投資家への示唆

1. 北紡のビットコインレンディング運用とは

1-1. 2025年11月26日発表の重要事項

北紡株式会社(本社:石川県、東証スタンダード上場の合繊紡績メーカー)は2025年11月26日、保有するビットコイン(BTC)の一部を対象に、SBIデジタルファイナンスが提供する暗号資産レンディングサービスを活用した運用を開始する方針を開示しました。

IR資料によれば、主なポイントは以下の通りです。

  • SBIデジタルファイナンス株式会社とのパートナーシップに基づき、暗号資産レンディングサービスを利用
  • 当社保有BTCの約半分を対象にレンディング運用を実施
  • レンディング運用の開始日は2025年12月9日(予定)
  • 利率(年率)は市場金利および貸出期間に応じて変動し、法人パートナー向け条件が適用される見込み

この発表を受け、北紡の株価は4営業日連続で上昇しており、「創業77年の繊維メーカーがデジタルアセット運用に踏み出した」というニュース性も相まって、市場から大きな注目を集めています。

1-2. レンディング運用を選択した背景

北紡がレンディング運用を導入した背景として、IRおよび各種報道からは次のような狙いが読み取れます。

  • 保有資産の有効活用:単純保有では得られない利息収入(BTC建て)を獲得
  • 収益源の多様化:繊維事業に加え、暗号資産・RWA関連事業からの収益を育成
  • 資産効率の改善:中長期保有を前提としつつ、レンディングで利回り+評価益の両輪を狙う
  • 信頼性の担保:SBIクリプトアセットHD傘下で暗号資産レンディングサービス「HashHubレンディング」を運営するSBIデジタルファイナンスとの連携により、運用体制の信頼性と透明性を確保

2. SBIデジタルファイナンスとの提携内容

2-1. 提携パートナーの位置づけと信頼性

SBIデジタルファイナンス株式会社は、SBIホールディングス傘下で暗号資産レンディングサービス「HashHubレンディング」を運営する専門事業者です。

  • もともとHashHubが運営していたレンディング事業を会社分割により承継し、その後も国内有数の暗号資産レンディングサービスとして運営を継続。
  • 2025年11月には、事業譲受に関するプレスリリースでも「暗号資産レンディング事業を専門とする会社」であることが改めて示されています。
  • 同社のサービスは資金決済法上の「暗号資産交換業」には該当せず、暗号資産の貸借取引に特化したスキームである点が約款にも明記されています。

北紡のIRも、SBIデジタルファイナンスを「暗号資産レンディングサービスを提供するSBIグループ会社」として位置づけており、グループの信用力と既存の運営実績を評価してパートナーに選定したことが読み取れます。

2-2. レンディング契約の具体的な仕組み

IR資料および関連報道から整理すると、北紡のBTCレンディングの基本構造は以下のイメージです。

  1. 北紡 ⇒ SBIデジタルファイナンスへBTCを貸し出し(預託)
  2. SBIデジタルファイナンス側で再貸付・DeFi運用などを通じて収益を創出
  3. 一定期間ごとに利息(貸借料)をBTCまたは円建てで受け取る
  4. 契約満了時に元本BTCが返還される(※価格変動リスクは北紡側が負う)

IRによると、

  • 運用対象資産:同社保有ビットコイン(保有量の約半分を運用予定)
  • 運用開始予定日:2025年12月9日
  • 利率(年率):市場金利・貸出期間・SBI側との法人パートナー条件に応じて変動

とされており、固定利率ではなく、市場環境に応じて変動する変動金利型のスキームであることがわかります。

3. 北紡のBTC投資戦略:8億円枠の内訳と購入実績

3-1. 総額8億円の投資枠とドルコスト平均法

北紡は2025年7月22日付のIR「ビットコイン購入開始に関するお知らせ」において、

  • 総額8億円を上限とするビットコイン購入枠を設定し、
  • ドルコスト平均法により国内取引所を通じて順次取得する

方針を打ち出しました。

その後、8月7日および11月5日の「開示事項の経過」にて購入実績が逐次開示されています。

主な経過は次の通りです(数値はIRベース、一部四捨五入)。

時期 内容 購入BTC 購入金額 平均取得単価
2025年7〜8月 初期取得(7/24に1.66BTC、8/6に1.66BTC) 3.32BTC 約5,720万円 約1,723万円/BTC
2025年10月 10/1〜10/31の1か月で追加取得 2.41BTC 約4,217万円 約1,750万円/BTC
〜10月末累計 計3か月間の購入実績 9.25BTC 約1億5,879万円 1,716万6,305円/BTC

※購入金額・単価はIR開示値に基づく。

このように、北紡は毎営業日200万円相当を目安にBTCを定期購入するドルコスト平均法を採用しており、短期的な価格変動ではなく中長期の保有を前提とした投資戦略であることが分かります。

3-2. 8億円投資枠の進捗状況

2025年11月5日時点のIRによれば、

  • 累計購入額:158,788,325円(約1.59億円)
  • 累計保有量:9.25BTC

となっており、総額8億円の投資枠のうち約2割弱が実行済みという状況です。

今後も同社は、

  • 市場動向を見ながらドルコスト平均法で購入を継続し、
  • 中長期的には保有BTCのさらなる積み上げと、
  • その一部をレンディング・マイニング等に回すことで複数の収益源を構築する方針を示しています。

4. レンディング運用による利回り獲得の仕組み

4-1. 利回り水準と収益シミュレーション(あくまで概算)

暗号資産レンディングは、保有しているBTCを事業者に貸し出し、その対価として利息(貸借料)を得る運用手法です。

HashHubレンディングや国内取引所の事例を見ると、

  • 通貨・期間・市況によって変動するものの、
  • 法人を含む一般的な案件では年率数%〜一桁台後半の水準で設定されるケースが多い

とされています(特別案件ではそれ以上もあり得る)。

北紡のケースについて、あくまでシミュレーションとして、

  • 保有量:9.25BTC(IR開示値)
  • 想定レンディング対象:保有量の約半分 → 4.6BTC前後(Zaikei記事およびIR)
  • 想定利回り:年率5%(BTC建て)

と仮定すると、

  • 年間利息収入(BTC建て)
    • 4.6BTC × 5% ≒ 0.23BTC/年
  • 取得単価(約1,716万円/BTC)をベースに円換算すると、
    • 0.23BTC × 1,716万円 ≒ 約400万円/年

となり、BTC価格が取得単価水準を維持すると仮定すれば、年間数百万円規模の利息収入が見込める計算です。

※実際の利回り・運用量・BTC価格は市場環境により変動するため、上記はIR数値をベースにした概算シミュレーションであり、将来の収益を保証するものではありません。

4-2. リスクと対策

レンディングには以下のようなリスクが存在します。

リスク 内容 北紡の対策・特徴
カウンターパーティリスク 貸付先(事業者)の破綻・不正等により元本・利息が毀損するリスク SBIグループ傘下の専門事業者と提携し、運用先を分散・慎重に選定
価格変動リスク BTC価格が下落した場合、円換算評価額が減少 中長期保有前提+四半期ごとの時価評価を実施し、会計上もリスクを管理
流動性リスク レンディング期間中は原則として売却・移転ができない 保有量の半分程度に対象を限定し、残りは自社裁量で即時売却可能な余力を残す方針とみられる

Zaikeiの記事は、今回の取り組みを「資産効率の向上と財務基盤強化を同時に狙う動き」として評価しており、上場企業の暗号資産活用モデルの一つとして注目されています。


5. 株価への影響:4日続伸の背景分析

5-1. 発表後の株価推移と市場の反応

みんかぶ・トレーダーズウェブ経由の報道によると、北紡の株価はビットコインレンディング運用開始の発表を受けて4日続伸しています。

  • 11月27日午前の取引では、株価は前日比+2円(約+1.4%)の142円まで上昇。
  • 7月のビットコイン購入開始発表時にも株価が続伸した実績があり、今回のレンディング開始決定は暗号資産戦略の「第二段階」として再び投資家の関心を集めた形です

5-2. 投資家が評価した3つのポイント

ニュースやアナリストコメントを総合すると、投資家が評価しているポイントは次の3点に整理できます。

  1. 透明性の高い情報開示
    • 投資枠(8億円)、累計購入額(約1.59億円)、保有量(9.25BTC)、レンディング対象が「保有量の約半分」であることをIRで具体的に開示。
  2. 実効性のある収益戦略
    • ただBTCを保有するだけでなく、「レンディングによる利息収入+含み益」の両面で企業価値向上を目指す姿勢を明示。
  3. リスク管理への配慮
    • 業績予想への影響は現時点で織り込まず、「重大な影響が生じた場合には適時開示」と明記するなど、慎重なリスク管理姿勢も示している。

6. 上場企業のBTC投資事例比較(メタプラネットvs北紡)

日本では、ビットコインをバランスシートに積極的に組み入れる上場企業が徐々に増えています。その代表例がメタプラネット北紡です。

6-1. メタプラネットと北紡の比較

項目 メタプラネット(3350) 北紡(3409)
主業 ホテル・不動産からBTCトレジャリー企業へ転換 合繊紡績(テキスタイルメーカー)
BTC投資開始 2024年 2025年7月
BTC保有量 30,823BTC(2025年10月末時点) 9.25BTC(2025年10月末時点)
投資規模感 保有BTC時価約3.5Bドル(5,000億円超) 累計購入額約1.59億円、投資枠8億円
主な運用手法 長期保有+BTC担保ローン+オプション戦略など 長期保有+レンディング運用
位置づけ 「ビットコイン財務企業」としてグローバル戦略を展開 伝統製造業がデジタルアセットを活用し財務基盤を強化するケース

6-2. 差別化ポイント

  • メタプラネット
    • 既に3万BTC超を保有し、「日本発のBTCトレジャリー企業」として世界のビットコイン保有ランキングでも上位に位置。
    • 社債・新株予約権など多様な資金調達手段を用いて、攻めのレバレッジ戦略を展開。
  • 北紡
    • 総額8億円の範囲でまずは数BTC〜数十BTC規模から段階的に積み上げる守り寄りの戦略
    • 保有BTCの一部をレンディングに回すことで、安定的な利息収入を得ながら事業ポートフォリオを分散させている点が特徴。

両社は「BTCを保有する」という点では共通していますが、規模・リスク許容度・事業ポジションが大きく異なるため、投資家は自分のリスク許容度にあった企業を選ぶことが重要です。

7. 投資家が知るべき3つの実践ポイント

✅ ポイント①:レンディング利用企業の開示内容とパートナーをチェック

暗号資産レンディングは高い利回りが期待できる一方で、

  • カウンターパーティリスク
  • 流動性リスク
  • 規制リスク

が存在します。

チェックすべき項目

  • どの事業者(SBIデジタルファイナンス等)と提携しているか
  • レンディング対象の割合(保有量の一部か、ほぼ全量か)
  • 業績予想への織り込み有無、影響が生じた場合の開示方針

北紡のIRのように、パートナー名・対象割合・開始日・リスクに関する説明が開示されている企業は透明性が高いと言えます。

✅ ポイント②:投資枠と実行進捗のギャップを見る

北紡のケースでは、

  • 投資枠:8億円
  • 累計実行額:約1.59億円(約20%)

と、まだ投資余地(約6.4億円)が大きく残っている状況です。

追加購入のIRやレンディング対象の拡大は、

  • 中期的な企業価値向上の材料であると同時に、
  • 短期的な株価のイベントドリブン要因

にもなり得るため、四半期ごとの開示スケジュールを押さえておくことが重要です。

✅ ポイント③:レンディング収益の財務インパクトを試算する

投資家目線では、レンディング収益が

  • 営業利益や経常利益に対してどの程度のインパクトを持つのか
  • 事業全体の利益構造をどのように変え得るのか

をシンプルに試算しておくと、企業評価の精度が上がります。

簡易計算式(BTC建て)

年間利息収入(BTC) = レンディング対象BTC × 想定利回り

北紡のケースで、

  • レンディング対象を4.6BTC(保有量の約半分)
  • 想定利回りを5%

とすると、年間利息は約0.23BTC。取得単価ベースで約400万円のインパクトとなり、規模としては繊維事業を補完するサブ収益源として位置づけられます。

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  • 送金手数料:銘柄により異なる(例:IOSTは低コスト)

取扱銘柄50銘柄(2025年11月時点、MEME上場反映) 最小購入額:500円
積立サービス:対応 スマホアプリ:高機能アプリあり
セキュリティ:コールドウォレット、2段階認証
独自サービス:Flash Deals(高利回りの実績)、マルチチェーン対応
向いているユーザー:スプレッド重視、多様な銘柄に分散投資、レンディング/ステーキングに興味がある方

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取扱銘柄39銘柄(現物) 最小購入額:1円
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セキュリティ:マルチシグ、コールドウォレット、2段階認証
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8. FAQ:北紡のBTCレンディングに関する疑問

Q1. 北紡のレンディング利回りは公表されていますか?

A.
IR資料では、具体的な利回り数値は公表されていません。

  • 「市場金利および貸出期間により変動する」とされており、
  • SBIデジタルファイナンスとの法人パートナー条件に基づき決定されます。

一般的な暗号資産レンディングでは、年率数%〜一桁台後半程度の案件が多いとされますが、北紡の実際の利回りは非開示です。

Q2. レンディング期間中に北紡はBTCを売却できますか?

A.
レンディング契約期間中に貸し出し中のBTCを即座に売却することは原則できません。

ただし、IRでは「保有BTCの約半分を対象にレンディングを実施」とされており、残りの半分は自社ウォレットでの保有が続くため、一定の流動性は確保されていると考えられます。

Q3. 金融庁の規制強化はレンディングに影響しますか?

A.
2025年11月に公表された金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告(案)」では、

  • 暗号資産交換業者に対する責任準備金制度の導入
  • 金商法への移行に伴う情報開示や不公正取引規制の強化

などが提言されています。

レンディング事業そのものも、顧客資産保護やリスク説明の観点から、今後規制の影響を受ける可能性はありますが、北紡のレンディングはSBIグループの枠組みの中で行われるため、一定のガバナンスが期待できます。

Q4. 個人投資家もBTCレンディングを利用できますか?

A.
はい、個人でも利用可能です。

  • SBI VCトレード
  • GMOコイン
  • HashHubレンディング など

国内の暗号資産サービス事業者が、個人向けレンディングサービスを提供しています。(SBI VCトレード)

ただし注意点として:

  • 元本保証ではない
  • 事業者破綻時のリスク
  • 税務上は雑所得として課税

などがあり、必ず各社の説明資料や約款を確認した上で利用する必要があります。

Q5. 北紡の成功事例は他企業でも再現できますか?

A.
原理的には再現可能ですが、

  1. 一定規模の投資余力(数億円単位)
  2. 取締役会レベルでのリスク・リターン分析と合意形成
  3. 暗号資産と会計・税務に精通した人材・外部パートナー

といった条件が必要になります。

北紡のケースは、

  • いきなり数十億円ではなく、まずは8億円枠+1.6億円投資済み+9.25BTC保有という段階的アプローチである点が、他の中堅企業にとって再現しやすいモデルと言えます。

🔗 関連リンク・出典

📌 公式発表・IR情報

  • 北紡「ビットコイン購入開始に関するお知らせ」(2025年7月22日)
  • 北紡「(開示事項の経過)ビットコイン購入に関するお知らせ」(2025年8月7日・11月5日)
  • 北紡「SBIデジタルファイナンスとのパートナーシップに基づくレンディングサービスを活用したビットコイン運用開始に関するお知らせ」(2025年11月26日)

📌 レンディングサービス・解説

  • HashHubレンディング公式サイト(SBIデジタルファイナンス運営)
  • SBI VCトレード「貸コイン(貸暗号資産/レンディング)」
  • マネックス暗号資産レンディング解説記事
  • CoinPost「仮想通貨レンディングとは?実績データ比較」

📌 市場分析・ニュース

  • みんかぶ「北紡は4日続伸、ビットコインのレンディング運用開始」
  • 日本インタビュ新聞社/財経新聞「北紡、SBIデジタルFと連携してBTC運用開始、レンディングで資産効率を強化」
  • Zaikei「北紡、ビットコイン購入状況に関する開示」
  • jinacoin・plus-web3「北紡、8億円でビットコイン購入へ/10月追加取得で9.25BTCに」

📌 他社事例・規制関連

  • メタプラネット公式サイト・Analyticsページ
  • CoinPost「メタプラネット、30,823BTC保有と借入戦略」
  • 金融庁「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告(案)」

まとめ:北紡の戦略から学べる3つの教訓

  1. 段階的なBTC取得+レンディングでリスクをコントロール
    • いきなり全額ではなく、8億円枠のうち約1.6億円で9.25BTCを取得し、その約半分のみをレンディング運用に回すことで、価格変動・流動性リスクを抑えつつ利回りを狙う設計となっている。
  2. 信頼性の高いパートナー選定がカギ
    • SBIグループの暗号資産レンディング事業者と組むことで、運営体制・リスク管理・説明責任の面で一定の安心感を確保。
  3. IRでの丁寧な情報開示が評価を呼ぶ
    • 投資枠、購入実績、保有量、レンディング条件、業績予想への影響まで一貫して開示している点が、株価4日続伸という市場のポジティブな反応につながったと考えられる。

最終更新日:2025年11月27日

本記事は、北紡の適時開示資料・SBIグループおよび主要金融メディアの報道をもとに構成しています。実際の投資判断にあたっては、必ず最新のIR資料・法令・各サービスの利用規約を確認し、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

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