サークル(Circle)社がこのほど2019年Q2の暗号通貨・ブロックチェーン業界を総括した
2019年Q2に起こったマークアップイベント
同レポートで取り上げられている2019年Q2に起こった主要な数字の推移や、重要なイベントは下記です。
分散型金融(DeFi)の成長
イーサリアム(Etheruem)上の分散型金融(DeFi)、「Open Finance」と呼ばれるカテゴリのプロトコルが成長をしています。メイカー(Maker)とコンパウンド(Compound)、ダルマ(Dharma)、dYdxの4つのプロトコルを通して、発行されたQ2の借り入れはQ1と比較して、140%成長をしました。
こういった成長は、InstaDAppなどのプロトコルを簡単に利用できるインターフェイスを提供するアプリケーションによって促されています。
関連:初心者でも簡単!分散型金融(DeFi)をInstaDAppで体験!
GBTCへの資金流入
グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が運用する資金は、2019Q2で125%上昇しました。また新規の資金の流入の84%は機関投資家であるとされます。
Grayscale Investmentは、GBTCというビットコインにのみ投資をする上場投資信託を運営しています。この商品は機関投資家が投資できる良い受け皿になっており、この商品に対する資金フローはマーケットに大きな影響があります。
ステーブルコインの競争について
テザー(Tether)の一部資金が凍結されているにも関わらず、USDTが市場の占有している状況は変わっていません。二番手のステーブルコインとして、Circleとコインベース(Coinbase)が中心メンバーで運営されるUSDCが大きな成長をしています。USDCの発行量は48.7%成長しました。
IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)の勃興
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)と比べてIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)はポピュラーの資金調達手段になりました。トップいくつかのIEOプロジェクトは大きなリターンを得ていることに対して、IEOプロジェクトの中央値の投資リターンは-40%の数字となっています。
デリバティブ市場の急成長
2019年Q2にビットコインに関わるデリバティブ市場が急速に成長しています。主要なデリバティブ市場であるデリビット(Deribit)とレジャーX(LedgerX)の2つを合計した同期間の取引ボリュームは、26億ドル(約2,750億円)になっています。これは前四半期と比較して200%の成長です。加えて、ビットメックス(Bitmex)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコインの先物の取引ボリュームは、3,420億ドルであり、前四半期に対して270%成長しました。
ステーキングができるプロトコルの成長
PoSのアルゴリズムのブロックチェーンが増加しています。コスモス(COSMOS)などが既にローンチしており、今後イーサリアムのPoS移行、ポルカドット(Polkadot)やディフィニティ(Dfinity)がローンチをします。2019年Q2時点で、ステーキングでロックされているアセットの合計は65億ドル(約6800億円)で前四半期比で12%の成長をしています。
しかしながら、トップ15のステーキングトークンのイールドは7.1%で、 これは前四半期に対して、1.15%のマイナスです。多くのプロトコルは、ステーキングされればされるほど、イールドを下げて新規発行量を抑制するためです。ステーキングをすると報酬を得ることができますが、それをサポートすると日本のサービスも登場しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。Circleのレポートは外部のデータプロバイダとも連携してさまざまな数字を網羅しています。興味がある人はレポートをご自身でダウンロードしてチェックしてみると良いでしょう。
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