- 欧州中央銀行理事がステーブルコインのリスクを指摘
- 欧州中央銀行理事はBIS会議で、ステーブルコインに潜むリスクを指摘。ステーブルコインである仮想通貨リブラが、規制当局の認可を得るのは難しいという見方を示した。
ステーブルコインのリスク
欧州中央銀行(ECB)理事のBenoit Coeure氏が、各国の中央銀行責任者に対し、リブラなどの仮想通貨ステーブルコインにはリスクがあると語った。
Coeure氏は、スイスのバーゼルにある国際決済銀行(BIS)で行われている会議で上記の発言を行なった。本会合は9月16日に開催され、リブラの代表者と国際決済銀行の決済・市場インフラ委員会(CPMI)が、金融安定性を評価することを目的としている。
Coeure氏は、ステーブルコインのリスクについて、以下のように説明した。
ステーブルコインは、特にグローバルな決済手段として問題がないかなど、ほとんど実証実験が行われていない。政策を決めるに当たり深刻なリスクが数多く出てくる。
規制当局の承認を得るためのコンプライアンス基準は特に高くなるだろう。
欧州では、フランスの経済財務大臣ブルーノ・ル・メール氏が12日、「少なくとも現時点では、欧州でリブラの開発は認められない」と発言。ドイツの連立与党も、リブラのローンチを認めない方針だと報じられた。リブラが通貨主権を脅かすと懸念の声が出ている。
ステーブルコインは、今まで政府や規制機関からほんと注視されてこなかったが、リブラのホワイトペーパー(事業計画書)が発表されてから、明らかに注目が高まった。
リブラの担当者は、本会合は建設的だったと話しており、低コストで安定した決済システムを実現するために、中央銀行や規制機関と連携していくと前向きな姿勢を示した。
Coeure氏の主張を受け、フェイスブック社のDavid Marcus氏は、リブラは国家の通貨主権を脅かすものではないと説明し、リブラは新しいお金になるのではなく、現在の通貨を基にした決済のネットワークやシステムをより良くするために作られるものだと反論している。
参考資料 : ロイター報道