VRのソーシャルネットワーキングFacebook Horizonとは?
Facebookは9月25日、同社のAR/VR関連イベント「Oculus Connect 6」で、同社が販売するオキュラス(Oculus)のハードウェアで参加できるVRのソーシャルネットワークである「Facebook Horizon」を発表しました。2020年にローンチされる予定になっています。かつて、注目されながらも、資金面の都合で幕をおろしたセカンドライフ(Second Life)のようなVRアプリケーションです。
Facebookは2014年にOculusを買収し、2016年のOculus Connectでアバター機能を発表し、2017年のF8でソーシャルVRアプリ「Facebook Spaces」を発表するなどVR時代を見据えて着々と準備を進めてきました。Horizonは、仮想空間とコミュニティについてこれまでに学んだことの集大成であると公言されています。
VR空間では、遠くにいる友人とのアバターでの会話やゲームプレイ、映画鑑賞などを楽しむことができます。既にVRを試したことがある人は実感しているでしょうが、VR空間の没入感は凄まじく、これまでのソーシャルネットワークとは全く違う体験ができるようになることは間違いないでしょう。以下は、同社によるプロモーション動画です。
それだけ没入度合いが高い空間では、その空間で長い時間を過ごすユーザーも当然増えるでしょう。現在においても、FacebookやInstagram、Twitterに長い時間を投下して没入するユーザーが存在することからも、そこに疑問の余地はありません。なによりFacebookは、ユーザーに少しでも長くサービスを利用してもらうためにアルゴリズムを作ることに最も長けた企業です。
仮想通貨リブラ(Libra)が組み込まれて起きることは?
では、それだけ没入度の高いVR空間で時間を過ごすことで、どのようなこと起こるでしょうか。それはVR空間上の土地や物が資産性を持つことです。それこそが、2002年に公開されたSecond Lifeの構想でした。
当時は、VRの技術も通信帯域も、必要なデバイスもあらゆる技術が実現していませんでした。しかし、現代において、それらの技術はそろいつつあります。
そして、もう一つ必要となるパーツが、VR空間に参加する世界中の人々が使えるデジタルネイティブなお金です。これは筆者の予想に過ぎないですが、FacebookはこのVR空間でリブラ(Libra)を流通させるのではないかと思います。ゲームの空間で銀行振り込みなどをすることは当然避けたいですし、デジタルに最適な新しいお金のフォーマットが必要です。
没入感の高いVRを新しい世界として、ブロックチェーンを活用してVR資産のアセット化をするようなプロジェクトは、ディセントラランド(Decentraland)など他にも事例があります。
このようなVR世界をもう一つの世界とする構想自体は、日本ではソードアート・オンライン、世界ではレディ・プレイヤーワンなど、映画やアニメで描かれます。人類は空想で描いた世界を必ず時間をかけて実現しようとするものであり、それが今まさに実現されようとされているのではないかと感じ取れます。
Facebook Horizon内でゲームや何かしらに長けた人がいて、その人がLibraを稼げるとしたならば、生活資金はVR空間で得れることは勿論、アイデンティティもVR空間内で形成されることになるかもしれません。
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