テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンプラットフォームです。よく金融や不動産分野との親和性が高いと言われているテゾスがどのように利用されているか特集しています。
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アンチマネーロンダリングツールCoinfirmがTezosに対応
アンチマネーロンダリングツールCoinfirmがTezosに対応したことを発表しました。Coinfirmは、ブロックチェーンを分析して、不正なアクティビティやマネーロンダリングのアクティビティの疑いがあるブロックチェーンアドレスを検知するツールを開発する企業です。技術的には、犯罪に利用されている可能性が高いブロックチェーンのアドレスが分かれば、そこから送信されたウォレットアドレスもまた、犯罪に加担している可能性が高いと仮定し、追跡・捜査ができます。
それがKYCと紐づいたどこかの取引所のアカウントとやり取りがされたら、本人特定の可能性が高まります。日本国内では、2018年初頭にNEMのハッキングが起きて、盗まれたコインの行方を追跡するホワイトハッカーのような人が複数現れたことは覚えている方が多いのではないかと思います。
現在、こういったツールは、政府や警察組織なども使うツールとして必要不可欠です。これまで暗号資産が犯罪に利用さた事例や、取引所などから盗難された事例は多くあり、その調査にはブロックチェーン分析ツールが利用されます。
同社が捜査協力をした事例として、Mt.GOXのハッキングがあります。警察以外にも脱税調査などにも有効で、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)は、2017年からこのツールを開発する大手企業Chainalysis(チェイナリシス))のツールを使用して、脱税者の追跡をしているといいます。
ブロックチェーンの分析によるコンプライアンス領域の大きさ
Tezosは既に金融領域を始めとしてさまざまなユースケースが登場しています。その中でも特に金額の大きい資産クラスを扱うセキュリティトークンの領域が活発です。
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このようなアンチマネーロンダリングツールがTezosプラットフォームに対応することは、それらの金融アプリケーションが安心して利用されるには不可欠だったと言えます。
このようにプラットフォームでのコンプライアンスツールが充実することで、Tezosでのサービス開発を行う企業も増えることが期待されます。
犯罪のための資金移動やマネーロンダリングは、経済圏ができればどうしても生まれてしまうのが必然であるとも言えます。これは従来の金融業界でも変わりありません。重要なのは業界としてそれを適切に対処する術を持つことで、ブロックチェーン分析ツールはそのために不可欠なシステムであると言えます。
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