ブロックチェーン技術開発で躍進の気配をみせるサムスン、スマホ「ギャラクシーS10」など

世界の大手企業がブロックチェーン技術開発を進めている中で、韓国のサムスン電子は最近、さまざまなプロジェクトを進め、ブロックチェーン技術革命の最先端に躍り出る勢いを見せています。

特に注目されるのは、同社最新のスマートフォン「ギャラクシーS10(Galaxy S10)」が、スマホでは初めてブロックチェーン技術に基づくウォレットを搭載するのではないかと推測されていることであり、沈黙を守るサムスンからの公式発表に業界が注目しています。

スマホX10が初めてKeystoreという仮想通貨ウォレット搭載か?

サムスンの最新型スマートフォンのS10は2019年2月20日に公開される予定です。S10は早くからブロックチェーン技術を採用して、仮想通貨を保管できるウォレットを搭載するのではないかと言われています。

サムスンはこれまで正式にコメントしていませんが、上図のように、「サムスン・ブロックチェーン・キーストア(Samsung Blockchain KeyStore)」と呼ばれるウォレットを搭載しているのではないかとのうわさが先行しています。

リークされたキーストア(Keystore)の上図写真を見ると、確かにその名称が記載されたスマホが写っていますが、それがS10のものかどうかは不明です。同社は18年12月、欧州連合知的財産庁(EUIPO)に「Blockchain Keystore」名の商標を「Blockchain Core」「Blockchain key box」とともに登録しています。

Samusung PayやNextledgerの開発、アプリも進展

S10に仮想通貨ウォレットが搭載されますと、サムスンによるブロックチェーン開発では恐らく初の大きな成果となるでしょう。それは大量採用を促すでしょうし、他のスマホメーカーの追随も必至です。それはまたサムスンのモバイル決済サービス「Samsung Pay」と連動して機能し、スマホで仮想通貨を使って買い物ができるようになるかもしれません。

サムスンのIT事業部門であるサムスンSDSは、ブロックチェーンプラットフォーム「ネクストレッジャー(Nextledger)」を開発中です。ネクストレッジャーは、ハイパーレッジャー(Hyperledger)と同様のプラットフォームで、将来は世界の企業向けブロックチェーンソリューションの提供を目指しています。その1つがデジタル・アイデンティティ・プロトコルであり、幅広く認証やセキュリティのアプリケーションに利用されます。

ブロックチェーン開発はリスクの少ない有望なテクノロジー

サムスンは最近、オランダの大手金融機関ABNアムロと提携して、ネクストレッジャーベースのプラットフォームに基づく船舶輸送ロジスティクスシステムを開発しています。システムの試験は現在、ロッテルダム港で実施されています。海運へのブロックチェーン技術利用は、コストを50%余り削減すると期待されていて、世界中に自社製品を運んでいる豊富な経験からして、サムスンの技術は一歩先行しているようです。

サムスンはさらに18年、仮想通貨のマイニング事業分野に進出しました。同社が開発したチップはイノシリコン(Innosilicon)社と提携してマイニング用ASICを製品化したものです。同社は9月、カナダのマイナー業者スクワイア・マイニング(Squire Mining)向けに次世代10nm(ナノメートル)チップを納品しています。

サムスンはこのように、幅広く開発プロジェクトを進めており、ブロックチェーン技術産業のグローバルリーダーになることを目指しています。サムスンはその事業規模からすれば、ブロックチェーン技術開発への投資額はさほど大きくはなく、リスクも小さい有望なテクノロジーと言えるでしょう。

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参考
CryptoNews

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