イーサリアム(Ethereum)のコントラクトを使用するためのウォレット「メタマスク(Metamask)」は、2021年8月19日付けで全ユーザーのEIP-1559の対応を開始。メタマスクユーザーはEIP-1559の「Priority Fee」の設定を自由にできることになる。
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EIP-1559とは?
イーサリアムは2021年8月5日に「ロンドンアップデート」を実装し、待望のイーサリアムガスモデルの変更となる「EIP-1559」を実装した。今までイーサリアムはビットコインで採用されているブロックオークション方式を採用していたが、このEIP-1559はマイナーによるスパム攻撃の懸念やイーサリアムのエコノミックモデルの変更から支払われた手数料をバーン(焼却)するという手数料モデルに変更するというものである。
EIP-1559の実装された現在のイーサリアムではブロックの占有率で変動する「Base Fee」と、マイナーに直接支払われるチップとなる「Priority Fee」が実装されており、Base Feeがバーンされる仕組みに変更されている。
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メタマスクのEIP-1559対応
EIP-1559では実装以前のトランザクション方式と異なるため、各ウォレットが対応する必要があった。古い形式のトランザクションは「レガシー」とされ、新たなEIP-1559のトランザクション方式ではバーンされたETH数やマイナーに支払われたPriority Feeなどをトランザクションハッシュから確認することができる。
2021年8月19日よりメタマスクはバージョン10.0.2を公開。この新しいバージョンからEIP-1559が完全にサポートされ、メタマスクユーザーはPriority Feeなどを細かく設定することができるようになっている。
最新のブロックのうち#13052673を確認すると、EIP-1559のType2トランザクションと、レガシートランザクションを確認することができる。
EIP-1559のガス設定
メタマスクではEIP-1559のトランザクションには「Max Fee」と「Priority Fee」を設定することができるようになっている。ガスの編集をクリックするとPriority Feeの変更が可能となっており、現在のネットワーク状況によってメタマスクが提案してくれる。
ここでは優先して早く取り込みたい場合には「High」、普通であれば「Medium」、時間がかかってもいい場合は「Low」を選択できる。
またより詳しい設定をしたい場合は詳細オプションから可能で、「Max Fee」はイーサリアムネットワークの混雑具合によって決められた「Base Fee」とマイナーへのチップとなる「Priority Fee」を合計した最大のガス(手数料)であり、細かく調整も可能だ。
TrezorやLedgerの場合
EIP-1559にメタマスク内では対応しているものの、TrezorやLedgerなどのハードウェアウォレットではトランザクションの署名がメタマスクから行われているわけではないため、個別に対応する必要がある。
そのためTrezorからメタマスクにアカウントをインポートしている場合、現時点ではPriority FeeやMax Feeは細かく設定できないため注意が必要だ。このEIP-1559の導入によりイーサリアムでは毎分ごとに100万円以上がバーンされており、今後のETH価格に大きな影響を与えていく実装であると言えるだろう。
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