
(文:Maki@仮想通貨ママコイナー)
仮想通貨を知る上で避けて通ることができないのが「ブロックチェーン」です。ここ1~2年ほどで急激にブロックチェーンという言葉を聞く機会が増えましたが、ブロックチェーンのことを本当に理解している方はまだまだ少ないのが現状です。
では、ブロックチェーンとはいったいどういうものなのでしょうか?
ブロックチェーンを導入する企業が増えている中、ブロックチェーンを利用するとどんなことができるのか、仮想通貨とはどのような関係があるのか、仕組みから企業がどのように利用を進めているのかまでを見てみましょう。
ブロックチェーンとは何か?
「ブロックチェーン」とは、その仕組み・技術の名前を指します。ビットコイン(仮想通貨)と一緒くたにされたり、分散型台帳の意味で使われることもありますが、ビットコインとは別物ですし分散型台帳とも厳密に言うと違います。こちらは後述します。
まず、ブロックチェーンというのはこれまでになかった特徴をもつ「データベース」を実現するための技術です。データベースとは、データをどんどん積み重ねて保管し、なおかつその検索がしやすくなっている情報(データ)のかたまりで、イメージとしては図書館のような感じでしょうか。
このデータが「ブロック」であり、ここに取引を行った記録が詰め込まれています。
この記録の積み重ね(ブロック)を保管したものがデータベースであり、データベースをネットワークに参加する多くのユーザーで保持するための仕組みがブロックチェーンです。
この四角いブロックの中に取引をした記録が詰まっていて、一直線につながって保管されていきます。ときに仕様変更などで図のようにチェーンが分岐することもあります。データのかたまり(ブロック)が連なっていく(チェーン)、これがブロックチェーンのかたちです。
理論上、一度ブロックチェーンに記録されるとそれを改ざんすることはできないため、このことがブロックチェーンに大きな価値と注目をもたらしています。
また、ブロックチェーンというデータベースはどこかの企業や特定の誰かが管理をしているものではなく、自律的に管理されていることも注目されている理由のひとつです。
ブロックチェーンがどうして注目されるのか
ブロックチェーンには、先ほどもお話ししましたが「これまでにない特徴」があり、画期的だと言われるゆえんがあります。
特徴その1:管理が自律的、ゼロダウンタイムの実現
ブロックチェーンは、特定の誰かがデータの管理をしているものではありません。次でお話しします「ピアツーピア」という方法で通信をしているため、管理者が不要な仕組みになっています。
また、ブロックチェーン技術を利用しているビットコインは世界中の人が利用しているにもかかわらず自律的に動いていて、2009年にそのシステムが稼働してからこれまでに一度も止まったことがありません。
これを「ゼロダウンタイム」といいます。
取引所のメンテナンスやハッキングといったトラブルによって、ユーザーが売買不可能になってしまうこともありますが、これはビットコイン(仮想通貨)のシステム自体に問題があるわけではなく、あくまで取引所側の問題です。ビットコインのブロックチェーン自体は一度も止まることなく機能し続け、現在に至ります。
特徴その2:単一障害点がない
ブロックチェーンによって記録されているデータは、どこかの企業が管理しているものではありません。情報をデータ化して管理するサービスでは、通常は私たちユーザーが企業のサーバーにアクセスし、データのやり取りを行います。
なので、万が一サーバーにアクセスが集中するなど負荷がかかった場合はサーバーがパンクしてしまい、サーバーの調子が戻るまでデータのやり取りをすることができなくなってしまいます。
つまり、サーバーを攻撃してうまくいけば貴重な個人情報をゲットできる可能性があるということ=サーバーが弱点。一般的な通信方式において、サーバーは「単一障害点」だと言えます。従来のインターネットサービスにおいては、この単一障害点が問題となっていました。
ですが、ブロックチェーンは「ピアツーピア(Peer to Peer)」という通信方式でデータのやり取りを行います。ピアツーピアは「P2P」と表記されることもあります。ピアツーピアとは、先ほどのようなサーバー頼みの通信方式ではなく、ネットワークに参加するみんながサーバーを介さずとも、平等にデータのやり取りを行える方法のことです。
出典:Vitalik Buterin medium
この図で言えば、(a)の図がサーバー方式。
真ん中にあるサーバーに、私たちユーザーひとりひとりがアクセスをしていることが理解でき、アクセスが集中するサーバーに攻撃を仕掛けやすいことが分かります。
ブロックチェーンの通信方式であるピアツーピアは(c)の図。
サーバー方式とは違い、データのやり取りをする道が分散されていることがわかります。データが分散されて管理されているため、一か所を攻撃しても他の場所でも同じようにデータが保管されているため、特に影響がないということですね。攻撃でひとつの道をふさがれても、別の道でデータのやり取りをするから問題ないというイメージです。
このように、ブロックチェーンはデータの管理が自律的であること、さらに攻撃を受けても単一障害点がないためデータに影響が出ないという大きなメリットがあります。ビットコインやアルトコインが取引所からハッキングを受けて取引所がサービスを停止しても、ゼロダウンタイムの部分でご紹介しましたようにビットコイン自体の取引は止まりません。
特徴その3:改ざんできない
ブロックチェーンに刻まれるデータ、つまりブロックですが、ここにはトランザクション(取引のデータ)に加えてひとつ前のブロックに関連するデータが含まれています。そのため、どこかで改ざんをして取引をなかったことにしてやろう……と悪だくみする者がいてどこか一部を改ざんすると、そのあとに続くブロックすべてに影響が出ることに。
データのつじつまが合わなくなってしまうため、実質的に改ざんすることは不可能なのです。さらに、ブロックチェーンは分岐をしたときに「長いものが残る」というルールがあります。
ブロックチェーンは「実質的に」改ざんは不可能だと言いました。しかし、できるかどうかだけで言えば改ざんは可能であり、その方法としては後に続くブロックのデータも改ざんして無理やりつじつまを合わせれば良いのです。
ただ、その間にもブロックチェーンには新しいブロックがつくられ、どんどんチェーンが伸びていきますよね。
ブロックチェーンは長いものが残るというルールのため、猛スピードで作業をしなくては改ざんが成功しなくなりますが、どれだけ頑張っても新しいチェーンが伸びるスピードには追い付きません。だから、ブロックチェーンは実質的に改ざんできないという答えになります。
そして、ブロックチェーンを改ざんできない理由のもうひとつが、次にお話しする「タイムスタンプ」です。
特徴その4:タイムスタンプ
タイムスタンプとはその名の通り時間や日付を示すための印で、郵便物を発送するときに発送日時を表す印もタイムスタンプのひとつ。ブロックチェーンにおいては、「その取引がいつ行われたものか証明するための証拠」になります。
ブロックチェーンのブロックはひとつずつ一列に並んでいくため、順番が前後していてはデータの整合性が取れなくなってしまいます。これを防ぎ、取引の証拠およびデータの順番を示してくれるのが、タイムスタンプ。
もし改ざんが行われるようなことがあれば、タイムスタンプがその証拠のひとつになるということですね。これらの特徴(技術)を組み合わせることで、ブロックチェーンはサーバーに頼らず、信頼性の高い画期的なデータの保管方法として認知され始めているのです。
ブロックとコンセンサスアルゴリズムについて
トランザクション(取引データ)のかたまりであるブロックが連なっていくと言いましたが、このブロックはどうやってできていくのでしょうか?
そこで重要なのが「コンセンサスアルゴリズム」です。
日本語にすると「合意方法」ですが、これはネットワークに参加するみんながブロックを作るためにどのようにOKを出すかという意味です。ひとりが勝手にブロックをどんどん作っていたとします、例えばその中に不正な取引をしたデータが入っているにも関わらずブロックを作っていたとしたら、大変なことになりますよね。
コンセンサスアルゴリズムは、公平かつ安全にブロックを作ってチェーンを長くしていくためのもので、さまざまな方法があります。
Proof of Work(プルーフオブワーク)
代表的なものが、ビットコイン(BTC)に使われているコンセンサスアルゴリズムのProof of Work(PoW)です。Work=仕事ですが、ネットワークの中の仕事ということでコンピューターによる「計算量」が求められます。
ブロックチェーンは、ひとつ前のブロックに含まれている情報からブロック同士のつじつまを合わせると言いましたが、コンピューターに膨大な量の計算をさせてこの答えを導き出すのが、Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)です。
Proof of Stake(プルーフオブステーク)
Stake=掛け金という意味があり、保有しているトークンの量が多いほど取引の承認権限を獲得できる方法です。PoWではコンピューターをフル稼働させるための電力消費が激しいこと、さらに計算をするマイナーの偏りによって不正な取引を承認させることが可能な「51%攻撃」の可能性など、課題がありました。
これをなくし、トークンの保有量(保有年数)によって判断されるのがPoSの考え方です。ほかにも、Prood of Importance(PoI)やDelegated Proof of Stake(DPoS)といったコンセンサスアルゴリズムがありますよ。
分散型台帳技術(DLT)との違い
ブロックチェーンについて調べていると目にするのが「分散型台帳技術(分散台帳)」という言葉。よくブロックチェーンと同じ意味で使われているのですが、よくよく見てみると言葉の意味に少し違いがあることがわかります。
英語でDistributed Ledger Technology(DLT)と言う分散型台帳技術。ネットワークに参加するユーザーみんながデータを同じように保有していて、そのデータベースを分散型台帳と呼びます。ブロックチェーンは、そのデータを数珠つなぎのように連ねていく技術ですので、厳密に言うと少し違いがあるんですね。
ブロックチェーンの利用・応用
さて、ブロックチェーンはとても魅力的なデータの保存方法であり、そのメリットが大きいことが分かりました。現在ブロックチェーンは世界のあちこちで導入されており、その動きは加速しつつあります。
mijin(ミジン)
企業内で管理をするためのプライベートブロックチェーンとして知られている「mijin」は、取引所・Zaif(ザイフ)を以前運営していたテックビューロ社によるサービスです。自社のトークンの発行や流通を行ったり、契約機能を実行させることができます。
DApps(分散型アプリケーション)
DAppsは分散型アプリケーション(Decentralized Applications)の略ですが、ブロックチェーン上で自律的に動作をするアプリケーションのことを指します。現在ゲームアプリが次々に登場しており、通常のゲームに加えてアイテムなどのデータがブロックチェーンに記録され、トークンとしてほかのユーザーと交換できるなどのメリットがあります。
そのほかにも、医療現場においてカルテといった重要なデータをブロックチェーンで管理したり、商品の偽造を防ぐために生産から流通・販売までのデータを管理するなど、私たちの身近なところにブロックチェーン技術が活かされている例がたくさんあります。
今後はさらにSNS、政治の場における投票や役所での公証といったものも、改ざんできない特性をもつブロックチェーン技術が利用されていくと考えられています。
ブロックチェーンの発展に期待
ブロックチェーンはさまざまな場面に応用できるとても素晴らしい技術だとお分かりいただけたでしょうか。また、ブロックチェーンを導入する企業が海外だけでなく日本でも増えていることから、今後もさらにブロックチェーンという名前を聞く機会がどんどん増えていくでしょう。
ポイントまとめ
- 分散型台帳技術はデータをユーザーみんなで共有する技術
- ブロックチェーンはそのデータを保存していく技術
- そのために、改ざんできない仕組みや技術が使われている
- 大事なデータの保存でも安全性が高く、信頼できる
- 仮想通貨にブロックチェーン技術が使われるほか、企業での導入も進んでいる
偽装や改ざんといった不正が大きな問題になる現代、ブロックチェーンは利用する企業側も私たちユーザー側も大きなメリットがありますね。仮想通貨初心者の方にとっては少し難しい内容ではありますが、ブロックチェーンはより身近になっていくはず、しっかり理解しておきましょう。
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