仮想通貨関連スタートアップのディベロッパーが解説:トークン・キュレイテッド・レジストリー(TCR)とは?

仮想通貨関連スタートアップのメサリ(Messari)社のディベロッパーであるキャサリン・ウー氏(Katherine Wu)がホストを務める仮想通貨関連ポッドキャスト「Messari Podcast」から、トークン・キュレイテッド・レジストリー(Token Curated Registry:TCR)をテーマにしたエピソードを紹介。内容を簡単にまとめました。

TCRとは?

今日のテーマはトークン・キュレイテッド・レジストリー(TCR)だ。TCRは暗号通貨の世界において比較的新しく非常に興味深い概念だ。TCRがどういったものかを紹介する。

TCRとは基本的に情報を収集(キュレート)した物事のリストだ。このリストは良いもののリストでもいいし、悪いもののリストでもいい。人々は、食料品店のリストやToDoリスト、旅行中に訪れる都市のリストなど、さまざまなリストを好みに応じて作成する。このようなリストは複数の個人や信頼できる団体によって作成されていれば信頼することができる。リストの作成には以下のような3種類の参加者が関わる。

  1. キュレーター:リストの作成者
  2. アプリカント:リストされる対象
  3. コンスーマー:リストの使用者

何よりもまず、リストの作成者を信頼することができるのかという問題がある。作成者の考えが偏っているのかそれとも信頼できるのかは、どのようにして知ることができるだろうか。TCRはトークンを用いてこの品質の問題を解決する。

トークンによるインセンティブ

TCRは内部的なトークンを用い、キュレーターに公平なリストを作成することに対するインセンティブを与える。理解を助けるために非常に簡単な例を挙げて説明する。

あなたはパーティーを開催したいと考えているとする。ここで、なんらかの目標と参加者がどれくらい楽しめるかを定量化する指標があるとする。

パーティーのリストには、質、楽しさ、参加者という項目が含まれる。そして主催者には、楽しさの指標に応じてある参加者の参加を拒否する権限があるとする。パーティーの参加者は申し込むための料金を支払う。これによって、パーティーが楽しくないと思っている人はそもそも参加しなくなる。

TCRの仕組みによって、パーティー主催者はトークンの保有者となり、リストの質を高く保ちたいと考える。他の参加者も、それぞれの調査によって楽しさの指標を判断し、各参加者がリストに載るべきかどうかという投票を行う。コンスーマーが興味を持つような、楽しい人が多く参加している質の高いリストであれば、質の高い参加者がさらに参加するようになる。このような、キュレーター、アプリカント、そしてコンスーマーの行動のループにより、リストの質が高まっていく。

TCRは、高品質のリストを提供するために設計されたインセンティブの仕組みだ。

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参考
Messari Podcast

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