米国政府は何年もの間に、暗号資産(仮想通貨)を押収し、競売にかけてきました。このプロセスは年々加速して、押収したトークンの保管と販売を管理するため、民間部門の助けを借りてさえいます。押収された仮想通貨の総額はこれまでに、86億ドル(約9,900億円)相当に上ります。

2020年度の仮想通貨の押収額は1億ドル上回り、21年度は10数億ドル以上に

内国歳入庁のサイバー犯罪ユニットのディレクター、ジャロッド・クープマン(Jarod Koopman)氏によると、米政府は近年記録的な量の仮想通貨を押収しています。同氏は「政府は2019年度に約70万ドル相当の仮想通貨を押収した。20年度にはそれが1億3,700万ドル、そして21年(8月時点)には12億ドルに達した」と述べています。

専門家らによると、サイバー犯罪が急速に増加した結果、仮想通貨を収めた国庫はさらに膨らんでいくと予測しています。政府が保有する仮想通貨をプライベートオークションにかける主要機関であるマーシャルサービス(US Marshals Services)はこれまで、約86億ドル相当を押収し、競売にかけてきました。

押収された仮想通貨は財務省没収基金の約60%以上に

仮想通貨を競売にかけて販売した収益は通常、財務省没収基金もしくは司法省資産没収基金に入金されます。これら2つの基金のどちらかに入金された後、清算される仮想通貨はさまざまな品目に仕分けられます。

クープマン氏によると、同氏が率いるチームによって追跡され、押収された仮想通貨は、財務省没収基金の約60%から70%を占めています。司法省スポークスマンはCNBCに対して、仮想通貨の差し押さえに関するセントラルデータベースは存在しないとかなり確信を持っていると語ります。

脱税やマネーロンダリングなど捜査マニュアルは何度も更新

元連邦検察官のジャッド・ウェル(Jud Welle)氏は、「政府は通常、イノベーションやテクノロジーに関して、犯罪者の数歩後ろにいる。マニュアルは編集され何度も更新される。これが仮想通貨を追跡する際のアプローチの仕方で、仮想通貨を押収するアプローチでもある」と語ります。

クープマン氏らは、仮想通貨に絡む脱税、マネーロンダリング、偽の確定申告などを扱う際、さまざまな政府機関職員とチームを組みます。同氏は「逮捕、差し押さえ、捜索令状のいずれにしても、法的な執行措置を行うタイミングがくれば、皆が一斉に集合する」と語っています。

参考
How the Government Handles All the BTC It’s Seized
US Government Has A Huge Secret Crypto Stockpile

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