0xとCoinlistのハッカソンが終了、DEXのエコシステムになり得る受賞プロダクト一覧

分散型取引所のプロトコルである0x(ゼロエックス)が、資金調達を支援するプラットフォームのCoinlist(コインリスト)とオンラインでのハッカソンを共同で開催しました。700もの人数が参加した同ハッカソンの受賞プロダクトがブログにて公開されていたので紹介します(参照)。

受賞プロダクト一覧

【第1位】Tokenary

0xとCoinlistのハッカソンが終了、DEXのエコシステムになり得る受賞プロダクト一覧
https://coinlist.co/build/0x/projects/2e9e7ecb-4c1d-4f2d-a08b-6ff977435f75

TokenaryはオフラインでNFT(Non-Fungible Token)を交換できるアプリケーションです。カンファレンスやゲームイベントで出会った二者間でゲームアイテムのトークンなどを対面で交換するようなユースケースを想定しています。オーダーブックはパブリックで公開されていないため、フロントランニングの心配がないというようなメリットもあります。

【第2位】Cashflow Relay

0xとCoinlistのハッカソンが終了、DEXのエコシステムになり得る受賞プロダクト一覧
https://coinlist.co/build/0x/projects/c84ee1bb-0db6-40b5-a811-29a32d96d8b6

将来のキャッシュフローを予測してトークン化して、二次流通させることができるプロジェクトです。例えば、下記のようなプロジェクトが利用することを想定しています。

  • 0xのリレーヤー
  • Spankchainのパフォーマー
  • Bitcoinを利用する開発者
  • Decentralandのオーナー

これらはブロックチェーンのオンチェーントランザクションで収入を得るため、過去のキャッシュフローは可視化されているため、将来キャッシュフローも予測が立てやすいということが想定されます。

【Community Choice Winner】Alice

0xとCoinlistのハッカソンが終了、DEXのエコシステムになり得る受賞プロダクト一覧
https://coinlist.co/build/0x/projects/595631c5-411b-42a0-8083-0df91dfabef2

Alice(アリス)はモバイルのインターフェイスに最適化したDApps OSをコンセプトにしています。モバイルアプリ上で簡単に自身のDAppsをモバイルUXに最適化でき、0xやウォレットとの適合はSDKで行える予定です。

【コンプライアンス賞】disclose

https://github.com/stanislasdrg/disclose

ゼロ知識証明で必要な情報がKYC(Know Your Customer/本人確認)されているかをリレーヤーに開示せずに証明をするDEXオペレータ向けツールです。ゼロ知識証明は、例えば「X」という情報を持っていることを、「X」を明かすことなく証明する暗号技術です。これをKYCに応用して、個人情報を明かすことなく、KYCをされているという事実を証明します。いくつかのマークルツリーに情報を分けて、特定の認証機関にKYCを事前に認証してもらい、その認証機関がKYCをしたことを証明できるというものです。

一方で、これではどこまでAML(マネーロンダリング対策)ができるかは疑問が残り、実際のAML要件とは違法な資金移動や不正を感知し、感知後に凍結まで出来るシステムであるはずです。そういったことを見ると、これではその要件を満たしていません。

とはいえ、これだけDEXやNFTの交換機能の提供ハードルが下がったり、スマートコントラクトのレンディングオペレータなども増えると、これまでのKYCではない、新しいKYCは確実に必要と言えるでしょう。

【DeFi賞】Cold Crypto

https://coinlist.co/build/0x/projects/1ad38c3e-5b9a-4c75-aef8-d576635e49c4

Cold Cryptoは古いスマートフォンのデバイスをハードウェアウォレットにするプロジェクトです。QRコードを用いた署名を使って実現します。コールドウォレットから0xのリレーヤーでオーダーも出せるようにします。

【ゲーミング賞】Mars Nation Land Selector

https://coinlist.co/build/0x/projects/4052ca4c-8f54-4d9f-a1e6-b6d985f93547

Mars Nation Land Selectorは、仮想の火星をコミュニティでガバナンスするプロジェクトです。土地はERC1155規格のNFTになっており、0xのリレーヤーでトレードができます。

これまでの開発が成果を出し実を結ぶ年に

以上が、0x(ゼロエックス)とCoinlist(コインリスト)によるハッカソンによる受賞プロジェクトです。ハッカソンには数多くの参加があり、他にも興味深いプロジェクトが多く出てきている様子が伺えます。

これだけの数のプロジェクトが今比較的に容易に開発が進んでいる理由は、0xのようなプロトコルが成熟してきたからだと言えるでしょう。今年は、今までプロトコルに焦点があてられていた開発が成果を出し、それを利用したアプリケーションレイヤーが目立ち始める年になるのではないかと筆者は予測しています。

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