
出典:Kyber Network
MyEtherWallet(マイイーサウォレット/MEW)は、イーサリアム(Ethereum)のウォレットプラットフォームとして有名なものの1つである。インターネット上で利用できるウォレットとなっており、名前の通り、イーサリアム(ETH)やイーサリアムのブロックチェーンを使って作られた、トークンなどに対応した暗号通貨ウォレットとなっている。
MyEtherWalletは誰でも簡単に作成でき、イーサリアムブロックチェーンの豊富なトークンを保管することができるものだ。ハードウェアウォレットやメタマスク(MetaMask)などとも連携することができ、使い勝手を向上させることもできる。イーサリアム好きの方は、一度は使ったことがあるのではないだろうか。
そんなMyEtherWalletが新しいインターフェイスを発表した。KyberNetWork(カイバーネットワーク)とのコラボレーションにより、シームレスな交換が可能となったのだ。
KyberNetwork(カイバーネットワーク)とは?
KyberNetwork(カイバーネットワーク)とは、暗号通貨を交換するためのDEX(分散型取引所)として機能するプラットフォームを手掛けるプロジェクト。数あるDEXのなかでも、KyberNetworkはクロスチェーン技術を使い暗号通貨の交換を可能にするプラットフォームの展開を進めている。
このクロスチェーン技術は、暗号通貨をさらにフレキシブルでシームレスなものとする技術で、異なるブロックチェーン間(例えば、BitcoinとEthereumなど)での暗号通貨交換を可能にすることができる。本来ブロックチェーンは、オリジナルで完結されているため、他のブロックチェーンと交わることはない。クロスチェーン技術が進むと、異なる別々のブロックチェーン間で暗号通貨の交換が可能となるため、その拡張性が計り知れない。
KyberNetworkのトークンスワップ機能がMyEtherWalletに統合
出典:Kyber Network
ユーザーが他のアプリケーションで暗号通貨を交換する必要がなく、MyEtherWalletで直接トークンを交換できるようになった。以前は、イーサリアム(ETH)からERC20トークン(Ethereumブロックチェーン上で作られたトークン)の交換、またはその逆しかできなかった。
MyEtherWalletのアップデートにより、ユーザーはWBTC(Wrapped Bitcoin、Bitcoinと1:1でペッグされたトークン)、DAI、TUSDを含む70以上の異なるトークンで任意のERC20トークンの交換を実行できるようになる。この一新されたインターフェイスにより、簡単にトークンの交換ができようになったのだ。
MyEtherWalletでのトークン交換方法
- MyEtherWalletの自分のウォレットへアクセス
- メニューからSwap(交換)を選択
- 交換するトークンを選択
- トークンの送信先アドレスを入力
- プロバイダでKyberNetworkを選択し続行
KyberNetworkが他のブロックチェーンで実装できることによる期待
2019年、KyberNetworkは3つの柱に重点を置きプロジェクトを進めるとしている。それは、スマートコントラクト対応ブロックチェーン間でのKyberプロトコル実装、活気に満ちたエコシステムの育成、そして分散型ガバナンスへの移行だ。KyberNerworkは、これまでイーサリアムブロックチェーンをはじめとするプロジェクトを進めてきたが、他の生態系においても重要なバックボーンとなるとしている。
kyberのプロトコルを他のチェーンで実装することを模索しており、これに興味があるサードパーティ開発チームとプロジェクトとして一緒に活動していくそうだ。Kyberのプロトコルを他のブロックチェーンでも実装できれば、より複合的なサービスも生まれてくるのではないだろうか。その可能性とユースケースでどんな未来が作られていくのかを考えていきたい。
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