イーサリアムの発明者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Burterin)氏はイーサリアムの今後10年の開発ロードマップを新たに更新する「The Scourge」を新たに提案した。

The Scourgeとは元の開発ロードマップであった「The Splurge」からPBSを独立したアップデート内容として切り離したものとなる。

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ヴィタリックがイーサリアムのロードマップを新たに提案

イーサリアムの発明者として知られるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Burterin)氏は新たにイーサリアムの今後10年の開発ロードマップの変更点として

「The Splurgeから独立したThe Scourge」

を提案した。

The Splurgeとは2021年12月に提案されたマージ(The Merge)後のイーサリアムの開発ロードマップを5つに分割したロードマップの一つであり、Account Abstraction(イーサリアムアカウントの抽象化)やPBS(プロポーザー・ビルダー・セパレート)、さらにVDF(Verifiable Delay Function)などのイーサリアムのセキュリティ向上や中央集権化を防ぐことを目的とした開発ロードマップだった。

今回提案されたThe Scourgeではこの5つのロードマップを6つに増やし、PBS(プロポーザー・ビルダー・セパレート)を中心としたMEVと中央集権化の問題に取り組むという新たなロードマップだ。

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PBS(プロポーザー・ビルダー・セパレート)とは?

PBSとはプロポーザー・ビルダー・セパレートの略で、

「ブロックにトランザクションを取り込む際にブロックを提案(生成)する”プロポーザー”とトランザクションを選択する”ビルダー”を切り離す」

というシステムだ。

これはイーサリアムのDeFiが急激に発展した2020年から2021年にかけてフロントランニングが問題となり、このPBSの仕組みを採用したフラッシュボット(Flashbots)が採用している方式と同じということになる。

現在はイーサリアムバリデータが個別に導入している「MEV-boost」によってPBSと同様のことが行われているが、これをイーサリアムプロトコル内に実装するというのが「The Scourge」であり、The Splurgeから切り離された重要かつ優先すべき実装ということだ。

イーサリアム取引の9割近くはMEV-Boostを使用

イーサリアムは2022年9月20日に記念すべきプルーフ・オブ・ステークへの移行「マージ(The Merege)」を完了させたのは記憶に新しいだろう。このマージによりイーサリアムネットワークの構造は大きく変化し、32ETHをステーキングしたバリデータが「ブロックプロポーザー」としてスロットにブロックを提案するという仕組みとなっている。

マイニングを必要としていたプルーフ・オブ・ワークと違い、このブロック提案は演算力による競争ではなく、コミッティにランダムで選出されたバリデータが行う。このバリデータはMEV-Boostを使用してブロック提案を行っており、提案されているブロックの約9割がこのMEV-Boostを使用したものとなっている。

The ScourgeではPBSをイーサリアムプロトコル内に標準で実装することで、フロントランニングを防止し、MEVにおける問題も解決しようという重要ロードマップということだ。

 

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