
トルコの不動産会社のアンタルヤ・ホームズ(Antalya Homes)社が3月5日、2018年に9つの不動産をビットコイン(BTC)で販売していたことを発表した。
仮想通貨決済によるメリット
トルコでは国外からの不動産の需要が伸びており、2017年に国外からトルコの住宅を購入した件数は2万2,234だったのに対して、2018年は3万9,663件と急増していた。また海外からの購入は、イスタンブールをはじめ、海岸沿いの都市にある物件が人気だという。
アンタルヤ・ホームズ社の会長であるBayram Tekce氏は、不動産を購入する際に決済手段として仮想通貨を利用することに複数のメリットがあるとし、「仮想通貨での決済は為替差損がなく早く信頼の置ける取引を実現している」と述べている。また、「仮想通貨への投資を活用したい人にとって、不動産分野への投資は有益だと思う」としている。
アンタルヤ・ホームズ社では2018年から仮想通貨の取り扱いを開始しており、ウェブサイトには、「Pay with Bitcoin(ビットコインで支払い)」というページがあり、ビットコインで決済をしたい人向けのページも開設されている。また同社が販売する不動産の最低価格は3万ユーロ(約370万円)からで、ビットコインの他、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ライトコイン(LTC)ビットコインキャッシュ(BCH)、テザー(USDT)などの仮想通貨での支払いも受け付けているという。
仮想通貨とブロックチェーンの利用進む不動産業界
仮想通貨を利用した不動産の売買はこれまでも行われており、2017年にはアメリカのテキサス州でKuper Sotheby’s International Realtyが、ビットコインで一戸建てを販売していた。同社の発表によると、当時の担当者は、「これまで33年の取引業務で、これほどユニークでスムーズな方法があるとは予想できなかった」と語っていた。
2018年9月にはマルタ共和国にある邸宅が支払いはビットコインのみという条件で550BTC(当時の価格で約4億円)で売りに出されていた。 同年10月には、アメリカのニューヨーク州のマンハッタンにあるコンドミニアムがイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンでトークン化されるなど、不動産業界における仮想通貨とブロックチェーンの活用は進んでいる。
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参考
・Antalya Homes
・Kuper Sotheby’s International Realty
文:Akihiko Hirata(@akkyhira)