
仮想通貨投資ファンドのデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)の創業者であるバリー・シルバート氏(Barry Silbert)が、「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)市場は終わりだ」と明言した。
「ICOの需要はほとんどない」
シルバート氏は11月27日、アメリカの放送局CNBCの経済ニュース番組「スクワークボックス(SQUAWK BOX)」に出演。「2017年のICOをめぐる熱狂状態がビットコイン(BTC)の価格を急騰させた。しかし現在では、ICOの市場は激減し、大量売却につながった」とコメントした。続けて「ICOの市場は終わった。ICOの需要はほとんどない」と述べた。
またシルバート氏は、現在の仮想通貨市場の苦境はテクノロジー関連企業によるものだということは驚くことではないとの見解を示している。その理由を、テクノロジー企業の株と仮想通貨への投資は重複しており、この2つの分野は連動していると説明した。
シルバート氏の仮想通貨市場とテクノロジー企業との関連性についての評価は、米ファンドストラット社のアナリストであるトム・リー(Tom Lee)氏の考えと一致している。リー氏は11月21日のスクワークボックスに出演し、FAANG(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)の株の下落が、仮想通貨市場に悪影響を及ぼしていることを指摘していた。
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仮想通貨市場は今が絶好のチャンスか?
現在の弱気の市場についてはシルバート氏は、不安定な価格変動は新たな大きな現象のために必要な困難だと考えていることを明らかにした。
そして市場の全体像を把握するために過去のバブルとマーケットの調整を振り返ることを提案し、「私たちはこれまで5~7回(のバブル)を経験してきました。最初の1・2回で80%も資産が減った時はつらいですが、3・4回目となれば慣れてきます。そしては今では絶好の機会として考えることができます」と述べた。また2019年には機関投資家の仮想通貨市場への参入し、業界の流れを変えるとの考えも明らかにした。
マイニングのコストが上昇していることについて聞かれたシルバート氏は、「ビットコインのマイニングコストをエントリーポイントとして使うのには同意できない。マイナーの費用と投資判断は区別すべきだ」とコメント。またマイナーは長期投資家だとし、「マイニングビジネスは過去5年ほどで誕生し、膨大な資金を集めてきた。彼らは赤字を出しながらもマイニングを続ける力がある」と説明した。
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参考
・CNBC