日本のスタートアップcatabiraがブロックチェーン分析サービスをローンチ、その役割とは?

日本国内のスタートアップであるcatabira社が、ブロックチェーン分析サービスをローンチしました。

ブロックチェーンを分析するとは?

パブリックブロックチェーンにおいて、取引記録や取引をしたアドレス(アカウント)は、常に公開されています。これを利用して、アプリケーションレイヤーが自身のユーザーがどのような動きをしているのかを調査したり、取引所などのガバナンス体制に使うためのツールをブロックチェーン分析企業は提供しています。

catabira社のプレゼンテーションスライドによると、同社も内部統制やガバナンス強化のツールを開発中であると記されています。

carabiraプレゼンテーション①

catabiraプレゼンテーション②

出典:speakerdeck.com/

ブロックチェーンを分析をすることで、過去に取引所のハッキングと関係がありそうな暗号通貨アドレスを識別して、さらにそのアドレスと関連がありそうなアドレスを識別することなどが可能になりえます。

同じくブロックチェーン分析企業の最大手のChainalysis(チェーンアリシス)社によると、世界の暗号通貨のハッキングの6割は2つのみのグループによって起こっているというレポートを公開しています。

関連:総額1,000億円近くの仮想通貨ハッキングは2大グループによる犯行か?

同社は、こういったブロックチェーン分析を通して、犯罪度合いが高いアドレスをマーキングして、サービス提供先の企業にそれらのアドレスから入金があった場合に、通知するツールを開発しています。このようなブロックチェーン分析企業は、ブロックチェーンと金融が深く交わる将来を想像するならば、コンプライアンスツールとして不可欠な要素です。

国内では、こういったブロックチェーンの分析・監査ツールはあまり注目されていませんが、海外では大規模な資金調達が複数行われているなど競争が激しい分野です。ブロックチェーン分析企業のCoin Metrics(コインメトリクス)は2019年2月、190万ドル(約2億1,100万円)の資金調達ラウンドを行い、Fidelity Investments(フィデリティ・インベストメンツ)などが参加をしました。

Chainalysisは最新のラウンドでは、3,000万ドル(約33億円)を資金調達しています。また、ブロックチェーン分析ツールを、コンプライアンス領域以外での活用事例も多く確認できます。例えば、Forge Platform(フォージ・プラットフォーム)は開発者向けのブロックチェーン分析ツールです。

Forge Platformイメージ
出典:http://forgeplatform.com/

アプリケーション開発者は、自身のプロジェクトのトランザクションボリューム、gas消費などスマートコントラクトのパフォーマンスを測定できます。現在、ウェブサイトを運営をするばらば、Google アナリティクスは必須なツールですが、DApps開発者はそれに類するものがありませんでした。こういったブロックチェーン分析ツールがそうのような役割を担うようになるでしょう。

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