年間金利6.2%の仮想通貨預け入れサービス、BlockFiの利用方法とメリット

ブロックファイ(BlockFi)は、2019年3月にサービスを開始した暗号通貨を貸出して金利を得ることができるレンディングサービスです。

同社の投資家には、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)やコンセンシス ベンチャーズ(ConsenSys Ventures)、ソーファイ(SoFi)、 ケネティック・キャピタル(Kenetic Capital)、日本からはリクルートなどがつき、これまで累計5,800万ドル(約63億円)の資金を調達しています。

本コラムでは、BlockFiのレンディングサービスのメリットや利用方法、リスクについて説明します。

レンディングサービスBlockFiの概要

BlockFiは、レンディングサービスで、現在はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の預け入れを行い、年間6.2%の金利を得ることができます。BlockFiは、貸し出した暗号通貨をどのように利用するかについては、機関投資家への貸出として用います。

機関投資家が暗号通貨を借入する理由は2つあります。1つ目は、これからトレーディングインフラを作るフィデリティ(Fidelity)などの企業がマーケットメイキングをするためです。

2つ目としては、機関投資家が暗号通貨をショートするためです。機関投資家がまとまったボリュームのBTCやETHをショートするようなインフラストラクチャーはまだ決して多くなく、BlockFiはこのレンディングサービスによって集めたBTCやETHを供給します。

個人がBlockFiに預けた暗号通貨はジェミニ(Gemini)のカストディによって管理されるとしています。

BlockFiの利用方法

BlockFiの登録には、KYC(Know Your Customer:顧客確認)が必要になります。KYCが完了したら、アカウントをオープンしてあとはデポジットするだけです。ビットコインの場合は1BTC、イーサリアムの場合は25ETHがミニマムになります。

BlockFiでは、各アカウントに翌月末に利息が付与されます。例えば50ETHを3月15日に預け入れをした場合、はじめに利息がつくのは4月末日です。

アカウントからの暗号通貨の引き出しには申請が必要になり、登録時に行ったKYCに基づき、SMSまたは電話で認証が必要になるといいます。 これには最大で1週間がかかり、預け入れしている暗号通貨が、即時売却できない可能性もあることは注意が必要です。

BlockFiの利用のメリットと複利投資の強さ

BlockFiのページ
出典: blockfi.com

BlockFiの魅力は、高金利にあるでしょう。6.2%という数字は、恐らく現在提供されているレンディングサービスの中でも優れた金利でしょう。

これを複利投資すると、そのリターンはさらに大きいものになります。複利効果とは、銀行預金の利息や株式投資の配当金などで得た利益を、そのまま再投資し続けることによって、加速度的な資産の増加を実現するものです。例えば、1BTCを5年間、複利運用をすると、1.35BTCになります。これが単利の場合は、約1.3BTCです。

暗号通貨のレンディングはリスクを考えた上での利用を

ここまで説明をしたようにBlockFiは高金利で魅力的なレンディングサービスです。それでありながら、カストディも使用をしているため、安心感も大きいことは事実です。

しかし、第三者に暗号通貨を預けることは変わりなく、BlockFiの破産リスクや、貸出先の機関投資家がなにかしらの理由で返済されなくなるリスクが完全なゼロではないことは忘れるべきではないでしょう。完全なゼロリスクは存在しません。そのうえで使用を考えていると良いでしょう。

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参考
BlockFi


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