流動性を持つ取引所が「ICOプロジェクトをサポート」することがトレンドに…?

クリプトウィンターの中でも高いパフォーマンスを出したICOプロジェクトの特徴

以下のトークンは、2018年以降にICO(イニシャル・コイン・オファリング)を行ったプロジェクトで、ICO後の価格パフォーマンスが優れていたプロジェクトのランキングです。

クリプトウィンターの間にも、BitTorrent(ビットトレント)のトークンは6倍以上を記録し、他にも4倍以上のパフォーマンスを記録するプロジェクトが複数存在している状態です。

そして、それぞれの欄に「プライマリーエクスチェンジ」とあるのが注目するべき箇所で、ICOは、流動性があるセカンダリーを持つ取引所が手伝うことが主流になりつつあります。

流動性を持つ取引所がICOプロジェクトをサポート

大手取引所のBinance(バイナンス)がLaunch PadというICOのプライマリーのプログラムを2019年1月から再開し、BitTorrentとFetch.AIの2つのICOプロジェクトを数分以内で完売させたことは記憶に新しいです。こういった動きをフォローして、他の取引所企業も続々と新規トークンの売出しのプログラムを開始しています。

関連:ICO支援プロジェクトBinance Launchpadの再開ともたらされる影響

KuCoinは、近日中にSpotlightというトークンのプライマリーサービスを始めるとしています。

OKEx(オーケーイーエックス)、Houbi(フォビ)も同様のアナウンスを行っています。

非常に多くの取引所が一斉に同様のアナウンスを行っており、これからしばらく取引所がトークンの初回売出しを行うことが主流になるでしょう。これらはICOではなく、IEO(Initial Exchange Offering)などとも呼ばれる場合がありますが、取引所がサポートをしているだけであり、基本的には同じことです。

取引所とICOプロジェクトが組むことによるメリット

取引所とICOプロジェクトが組むことによるメリットを各プレーヤーからの視点で整理をします。

■プロジェクト側

  • 取引所は、すでにある程度のユーザーベースを持ち、ICOの開始を露出しやすい。
  • またKYC(Know Your Customer/本人確認)は取引所がすでに行っているので、プロジェクトチームが担う必要がない。

■取引所

  • 昨今のクリプトウィンターで各取引所も出来高が減少しており、経営存続のために新しいキャッシュフローが必要な場合が多く、プライマリーは新しい売上に繋がる。

■ユーザー

  • トークンを購入したらすぐに上場をすることがわかっているので、投機層も含め買うハードルが下がる。

このように各立場ごとに明確なメリットがあるので、このようなトレンドが始まると、筆者としてはそう簡単に変わらないのではないかと思います。今後の取引所各社の動きが注目されます。

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