
クリプトウィンターの中でも高いパフォーマンスを出したICOプロジェクトの特徴
以下のトークンは、2018年以降にICO(イニシャル・コイン・オファリング)を行ったプロジェクトで、ICO後の価格パフォーマンスが優れていたプロジェクトのランキングです。
クリプトウィンターの間にも、BitTorrent(ビットトレント)のトークンは6倍以上を記録し、他にも4倍以上のパフォーマンスを記録するプロジェクトが複数存在している状態です。
An outlook on new tokens with positive ROI listed during winter 2018/2019. pic.twitter.com/lU8W3oGn67
— ICO Analytics (@ICO_Analytics) 2019年3月1日
そして、それぞれの欄に「プライマリーエクスチェンジ」とあるのが注目するべき箇所で、ICOは、流動性があるセカンダリーを持つ取引所が手伝うことが主流になりつつあります。
流動性を持つ取引所がICOプロジェクトをサポート
大手取引所のBinance(バイナンス)がLaunch PadというICOのプライマリーのプログラムを2019年1月から再開し、BitTorrentとFetch.AIの2つのICOプロジェクトを数分以内で完売させたことは記憶に新しいです。こういった動きをフォローして、他の取引所企業も続々と新規トークンの売出しのプログラムを開始しています。
関連:ICO支援プロジェクトBinance Launchpadの再開ともたらされる影響
KuCoinは、近日中にSpotlightというトークンのプライマリーサービスを始めるとしています。
A new program of us, we name it Spotlight, is coming soon, and we believe it will be a launch platform for hidden gems in blockchain that have real potential and value. pic.twitter.com/SuQRN3WQRu
— Michael Gan (@gan_chun) 2019年3月11日
OKEx(オーケーイーエックス)、Houbi(フォビ)も同様のアナウンスを行っています。
OKEX will be the next exchange to enter Initial Exchange Offering market. According to OKEX Head of Operations: We've prepared it for months. And now it is ready to launch. pic.twitter.com/KMQNWIdDMv
— ICO Analytics (@ICO_Analytics) 2019年3月12日
Looking for a better way to get access to emerging premium projects? We’ve got something amazing on the way called Huobi Prime. Stay tuned for more details @HuobiGlobal #HuobiPrime #HuobiGlobal #Huobi $HT pic.twitter.com/3U8bZ6mGpg
— Ross (@ross_zhang) 2019年3月8日
非常に多くの取引所が一斉に同様のアナウンスを行っており、これからしばらく取引所がトークンの初回売出しを行うことが主流になるでしょう。これらはICOではなく、IEO(Initial Exchange Offering)などとも呼ばれる場合がありますが、取引所がサポートをしているだけであり、基本的には同じことです。
取引所とICOプロジェクトが組むことによるメリット
取引所とICOプロジェクトが組むことによるメリットを各プレーヤーからの視点で整理をします。
■プロジェクト側
- 取引所は、すでにある程度のユーザーベースを持ち、ICOの開始を露出しやすい。
- またKYC(Know Your Customer/本人確認)は取引所がすでに行っているので、プロジェクトチームが担う必要がない。
■取引所
- 昨今のクリプトウィンターで各取引所も出来高が減少しており、経営存続のために新しいキャッシュフローが必要な場合が多く、プライマリーは新しい売上に繋がる。
■ユーザー
- トークンを購入したらすぐに上場をすることがわかっているので、投機層も含め買うハードルが下がる。
このように各立場ごとに明確なメリットがあるので、このようなトレンドが始まると、筆者としてはそう簡単に変わらないのではないかと思います。今後の取引所各社の動きが注目されます。
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