イーサリアム財団のリサーチャー、ジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏は新たな開発ロードマップの「ビームチェーン(Beam Chain)」を発表、イーサリアム3.0として大幅なスケーリング改善を目的としており、「PoSからZK時代へ」と表現している。

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DEVCONでイーサリアム3.0「ビームチェーン」を発表

イーサリアム最大のカンファレンスであるデブコン(DEVCON)2024が開幕し、イーサリアム財団のリサーチャー、ジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏が新たな開発ロードマップとなる「ビームチェーン(Beam Chain)」を発表した。イーサリアムはセレスティア(Celestia)のアプローチであるモジュラーチェーンの元祖であり、5年前にコンセンサスレイヤーとなるビーコンチェーン(Beacon Chain)、2024年3月に実装されたデータレイヤーとしてブロブ(Blobs)実行レイヤーとしてEVMのETH1エンジンで構成されている。

ドレイク氏はビーコンチェーンはすでにローンチから5年経過しており「仕様は古い」としており、さらに現在DeFi(分散金融)やNFTのようなアプリケーションはこのコンセンサスレイヤーを使用していないことを指摘。そこでビーコンチェーンを「ビームチェーン」としてより早いブロック生成時間(例:4秒)、3スロットごとのファイナリティ(FFG)、ETHステーキング数32ETHを大幅引き下げ(例:1ETH)、さらにジーケーシンク(zkSync)やリネア(Linea)などで知られるzkEVMをL1に実装するためのSNARKを実装するという。

Snarkificationとは?

このような大幅なイーサリアムのコンセンサスレイヤーの改良において、イーサリアムはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)から現在のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)、さらにビームチェーンによってZK Era(ZK時代)への移行になるだろうとドレイク氏は表現している。

ここで重要となるのがSNARKs(スナーク)だ。SNARKsはZero-Knowledge Succinct Non-Interactive Argument of Knowledgeの略でつまり、ゼロ知識証明を活用した簡易な非対話式議論を指す。これは簡単にいえばイーサリアムネットワークを構成するノードはそのトランザクションが正しいことをシミュレートして検証する必要がなく、発行される証明(SNARKs)を検証するだけで済むというセキュリティとスケーリングを両立したジーキャッシュ(Z-cash)が発明した画期的な暗号学であるということである。

つまりビームチェーンではSNARKがコア技術となり、これまでの問題としてzkEVMが理解できるように現在イーサリアムクライアントで利用されているGO言語やラスト言語などをコンパイルすることが障害となっている。そこでビームチェーンではクライアントのコアとなる状態遷移機能の全てをSNARK化する「Snarkification」が鍵となる。

 

現在利用しているBLS署名では署名の集約が難しいが、ハッシュベースの署名とSNARKsを活用することで最終的に量子セキュリティと連合署名を可能とし、イーサリアムはより幅広い柔軟性を獲得できるという。

イーサリアム財団ではこのロードマップを実現するためにネットワークやSNARKsなどの暗号。クライアントなどの多く専門家のコントリビューターを募集しており、beam.chain@ethereum.orgまで問い合わせをしてほしいとしている。

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