ネム(NEM)ブロックチェーンを用いた評価システムで働き方改革
ネム(NEM)ブロックチェーンを活用し、革新的なボーナス評価システムに取り組む企業がある。その内容がとてもユニークだったので、紹介していきたい。

働き方改革とブロックチェーン

現在、日本では働き方改革の真っ最中であり、政府や企業によって法案や取り組みが整備されて進められている。これには、日本が直面している大きな社会問題が起因していると考える。少子高齢化による労働者の減少、そして長時間労働と過労死。また2018年のデータによると、日本の労働生産性は主要先進7カ国で最下位となっている。一人あたりの労働時間に対する生産性が低く、長時間働いているのにもかかわらず、生み出す価値が小さいことが分かる。

これを背景に、働き方改革が提唱され、労働時間や雇用形態、柔軟な働き方を軸に各企業も改革に取り組んでいる。Googleトレンドでもわかるように、2016年頃から働き方改革への意識関心が高まってきているように見える。

「キーワード「働き方改革」検索率の推移
出典:Goggle トレンド

そんな中で、ユニークな取り組みをしている企業がある。ブロックチェーンテクノロジーを活用したボーナス評価システムだ。これは直接的な働き方改革ではないのかもしれないが、別な角度からのアプローチとして有効であり、非常に興味深い取り組みではないだろうか。今までの会社でよくあるボーナス評価とどう違うのだろうか。

コンテンツマーケティングを手掛けるハーチ株式会社は、NEMのブロックチェーンテクノロジーを活用し、ボーナス評価システムを導入した。

ピアボーナス制度「GIFT」

ハーチ株式会社は、NEMブロックチェーンを活用したピアボーナス制度「ギフト(GIFT)」の導入を発表した。ハーチ株式会社によるとピアボーナスとは、従業員同士がボーナスを贈り合える仕組みのことである。NEMのブロックチェーンにより、「グッド(GOOD)」と「ギフト(GIFT)」の2種類のトークンを発行し、従業員のボーナスを評価するシステムとして稼働させるものだ。

「GIFT」の仕組み
出典:ハーチ株式会社

従業員には、毎月1,000GOODトークンを配布される。配布されたGOODトークンは100GOOD単位で他の社員に送ることができる。普段の感謝の気持ちなどの意味を込めて送付することができ、同時にコメントも添えることができる。誰かが誰かにGOODを送ると、それと同量のGIFTトークンが会社共通のウォレットに貯蓄される仕組みのようだ。このGIFTトークンが毎月参加者全員に分配される。

ハーチ株式会社では、「1GOOD=1GIFT=1円」という形で設定されている。そして、自分がもらったGOODの数に、等分されたGIFTを加えた数を換算した金額が、毎月の給料に上乗せされて支払われるという仕組みとなる。従業員は積極的にGOODを贈り、贈れば贈るほどGIFTの総量が増え、最終的に自分への還元につながる。

ハーチ株式会社は、この仕組みにより、GOODの流れを分析しながら、従業員の評価質向上や業務分担ツールなどとしても活用したいと述べている。同様の仕組みを導入したい方の相談も受け付けているようで、今後は企業向けのピアボーナス運用サービスも提供していく予定だ。

トークンエコノミーの可能性

これは、従来のボーナス評価を上司が行うようなものではなく、従業員がフラットでお互いに評価しあうようなイノベーティブな形となるだろう。個人や企業が働き方改革に関心があるなかで、このようなアプローチからお互いを評価できるシステムはとてもユニークだ。NEMのブロックチェーンによって、オリジナルのトークンを作成し、トークンによって評価をすることができる。また、トークンの送付時にメッセージも添えることも可能であり、これはブロックチェーンならではの取り組みと言える。

このシステムによってブロックチェーンによるトークンエコノミーの可能性は広がるのではないだろうか。働き方に対する企業の取り組みは、その枠を超えて従来のシステムを考え直すアプローチもユニークであり、それこそが、企業や社会にイノベーションを起こすものとなるかもしれない。

ネム(NEM/XEM)の価格・相場・チャート

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参考
日本生産性本部、「労働生産性の国際比較 2018」を公表
ギフトエコノミーを体現する。ブロックチェーンを使ったピアボーナス制度「GIFT」を導入しました。

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