暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス(BitMEX)の元CEO(最高経営責任者)で、実業家のアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は「X」への投稿で、株式市場は今後もリスクが続くものの、ビットコイン(BTC)は底値を脱したという見解を述べました。

77,000ドルで底値を脱した可能性

ヘイズ氏は3月19日の米連邦準備制度理事会(FRB)の発表で、量的引き締め政策(QT)に出口が見えたことに触れ、3月10日の77,000ドル(約1,147万円)がビットコインの底値である可能性が高いと指摘しています。

QTはFRBの金融政策の1つであり、米国債のような資産の売却や再投資なしで満期を待つなどの手段で、マネーサプライを縮小させることが目的です。インフレのコントロールには有効ですが、高金利と経済成長の減速を招く危険性があります。

現在のQTは新型コロナ問題への景気刺激策によるインフレを緩和するため、2022年から始まりました。しかし今やインフレの懸念が和らいだことから、FRBがQTを継続する意味はほとんどなくなりました。

3月19日にFRBは、バランスシート縮小のペースを4月1日から減速させることも発表しました。これが事実上のQT緩和に当たりますが、ビットコインや株式などのリスク資産にとっては好材料になる可能性があります。

今後のQT緩和が強気市場を引き寄せる

ヘイズ氏は今後の見通しについて、次の強気市場は補完的レバレッジ比率(SLR:米大手銀行に対する資本規制)免除か、量的緩和政策(QE)のスタートで始まる可能性が高いと述べています。

SLR免除とは、米国債や中央銀行準備金などの資産を、一時的に銀行のレバレッジ計算から除外することで、貸し出しを増やして金融市場をサポートする効果があります。同様にQEはマネーサプライ拡大を促進するFRBの金融政策で、ビットコインのようなハイリスク資産には有利に働きます。

アクシーインフィニティ(Axie Infinity)の共同創業者であるジェフ・ジルリン(Jeff Jirlin)氏もヘイズ氏に同調する意見を述べました。彼は現在のQTが2010年以降最も厳しいとして、4月からのQT緩和が仮想通貨と株式市場にとって、大きなチャンスになるとの期待を寄せています。

ビットコインは本当に危機から脱したのか?

FRBの発表により楽観的意見が増えたものの、ビットコインが完全に危機を乗り越えたとはまだ言えません。その一例を挙げると、ビットコインの12年トレンドラインは、最近ゴールドのラインを下回りました。今後の経済に対する不安が高まっている可能性があります。

一方で、クリプトクアント(CryptoQuant)のCEOであるキ・ヨン・ジュ(Ki Young Ju)氏は、ビットコインの強気トレンドが終わった可能性が高い、という弱気のコメントを公開しました。

関係者のさまざまな見通しをよそに、日本時間3月21日正午のビットコイン価格は、24時間で1.7%程度下落して85,000ドル(約1,267万円)をやや下回るレベルで推移しています。

現在のビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Bitcoin ‘Probably’ Hit Its Bottom At $77,000, Arthur Hayes Says

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