金融庁、仮想通貨制度見直しへ 金融審議会第4回議事録を公表
金融庁は12日、金融審議会の「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」第4回会合の議事録を公表しました。
議論が行われたのは昨年10月22日で、今回はその詳細が明らかになった形です。
内容は、ハッキング被害への備えや市場の公正性の確保、銀行の関与の在り方など、暗号資産を巡る制度の根幹に関わるものとなっています。
ハッキング被害に備える責任準備金制度
大きなテーマの一つが、顧客資産の流出に備える「責任準備金制度」の創設です。
暗号資産交換業者に対し、主にコールドウォレットで管理する顧客資産について、流出リスクに応じた資金をあらかじめ積み立てることを求める仕組みが検討されています。
これまでは被害が発生した後に行政の承認を経て補償する必要があり、原因究明が長引けば補償も遅れるという課題がありました。
今回の案は、事後対応から事前の備えへと発想を転換し、より迅速に利用者を守る体制を整えようとするものです。
準備金の積立に加え、サイバー保険の活用も選択肢とする方向が示されました。
インサイダー規制と銀行の関与
あわせて、市場の公正性を高めるため、暗号資産を金融商品取引法の枠組みに位置付け、インサイダー取引規制を導入する方向性も示されています。
発行者に関する未公表情報や、取引所の新規取扱い決定、大口取引に関する情報などを重要事実として整理する案が提示されました。
一方で、発行主体が存在しない暗号資産をどう扱うのか、市場監視をどのように実効性あるものにするのかといった論点は残されています。
銀行の関与については、本体による発行や仲介には慎重姿勢を維持しつつ、投資目的での保有は一定の条件のもとで認める方向が示されました。
ただし、銀行の健全性を守る国際的な自己資本ルールでは暗号資産に高いリスク評価が想定されており、実務上は積極的な保有に踏み切りにくいとの見方もあります。
暗号資産市場が拡大を続けるなかで、制度はその成長を支える基盤となれるのか。
利用者保護と市場の信頼性向上をどう両立させるかが、今後の焦点となりそうです。