仮想通貨の強気相場は始まったばかりなのか?機関投資家によるOTC取引が増加

ビットコイン(BTC)価格が5,000ドル(約55万円)の大台に乗ってから早くも1カ月過ぎ、相場回復の行方について楽観、悲観双方の意見が市場にあふれています。さらなる強気相場を予測する意見の中で注目されているのは、店頭取引(OTC)市場での取引が活発となっていることを指摘するもので、一部アナリストは機関投資家の関心が高まってさらなる強気相場を呼び込む可能性があると指摘しています。

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トム・リー氏が久々に強気の発言 背景に市場の高揚感

アナリストや投資家の議論は、現在の強気相場がまだ初期段階であるのかどうか、さもなければさらなる価格下落が差し迫っているのかどうかに集中しています。

米投資リサーチ企業ファンドストラット(Fundstrat)の共同創設者で経済アナリストのトム・リー(Tom Lee)氏は2019年3月14日CNBCとのインタビューで、「仮想通貨の冬」は終焉して、新たな強い相場が目前に迫っている」と久しぶりに強気に発言しました。同氏は強気の発言でよく知られていますが、18年はその予測が見事に外れました。

リー氏は「われわれは歴史的に見て強気相場に限って起こりうる11の兆候を見いだした。強気相場である証拠はたくさんある」と述べています。同氏によると、その兆候の1つは、ベネズエラやトルコなどの国で仮想通貨の採用が目立って増加していることです。同氏はさらに、ビットコインが200日移動平均線を超え取引量が増加しているなど、強気の感情が市場に満ちあふれていると指摘します。

OTC取引の増加は機関投資家の出動の兆し

リー氏のこの強気発言を支えるもう1つの大きな要因があります。機関投資家がOTC取引で活発な買い出動しているというブローカーの話が伝えられていることです。リー氏によれば、OTCの取引はこのところうなぎのぼりに急増しているということは、機関投資家がOTC市場に一段と進出している兆しだというのです。

リー氏は「OTC取引は、機関投資家が仮想通貨取引にどのように出動しているかを知る上で重要なことである。OTC取引に出動している多くのクライアント(機関投資家)の取引活動レベルはこのところ60%から70%急増している」と述べています。

強気のモンスター出現か価格破綻か?仮想通貨市場に目を離せない

仮想通貨メディアが伝えるところによると、米国ではこのところ、市場が底打ちして、仮想通貨トレーダーやアナリスト、所有者と投資家などがこぞって、来るべき強気市場は「Monster(怪物のように記録的な価格上昇)」を見るだろうとの期待が高まっています。

5,000ドルを上回り、維持しているビットコインについて、なお「買い集め」の局面と分析するアナリストは少なくありません。その1人は「BTC価格が5,000-5,200ドルの範囲で長くとどまれば、それだけ次の価格を押し上げる力が強くなる。もっともそれと同じ程度に抵抗が強まれば、価格破綻も起こりかねない」と語っています。

機関投資家のデジタル資産への関心は高まっている証拠

米投資信託最大手のフィデリティ・インベストメント(Fidelity Investments)によれば、米国の機関投資家(441人)に聞いたデジタル資産への関心は高まっています。デジタル資産への投資商品購買意欲は72%、投資商品価値があるとみる投資家が47%、仮想通貨のイノベーション評価が47%、仮想通貨とその他資産クラスとの相関関係は低いと見るのが46%、デジタル資産を購入済みが22%だった

シートベルトをしっかり絞めて、市場の動きに備えるか、それともリー氏が言うファンダメンタルズの向上がより多くの機関投資家の関心を呼び込み、来るべきさらなる強気相場に火をつけるか、5月の市場には目を離せません。

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参考
NEWSBTC
cryptonews

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