こんにちは、ママコイナーのMaki(マキ)@maki_coinと申します。
特にトレードもしないまま私生活をたびたび晒しながら(酒と我が子)、仮想通貨初心者だけでなく中級~上級者の方にとっても「辞書」と呼んでいただけるブログ作りに日々励んでいます。
今回はCoinChoice様に寄稿させていただくということで、BTC暴落の要因について真面目にお話しさせていただきます。よろしくお願いいたします。
要因その1・BCHハードフォーク問題
これまで、ビットコイン(BTC)の暴落についてはさまざまな原因がありました。
2017年で言えば、Segwit2xのハードフォークでビットコインの元祖チェーンが消滅の危機にあったこと、中国で大規模な規制があったチャイナショック、韓国での規制によるキムチショック、さらに年明けでは日本でコインチェックのハッキング事件がありましたね。
まさに2017年末の暴騰は「バブル」と呼ぶにふさわしい上がり方だったと言えるでしょう。
年始に起こったコインチェック問題(NEM流出)から価格は急落し、200万円を超えていたビットコインは2018年12月現在、40万円前後で推移しています。
では、なぜ今、ビットコインはこんなに価格が下がってしまったのでしょうか?
特に顕著だったのが、ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォーク問題です。
大きな騒動になったBCHハードフォークの発端
今年の秋、ビットコインキャッシュがハードフォークを行う話題が徐々に広がり始めました。もともとビットコインキャッシュが誕生したのも、ビットコインのチェーンから分岐が起こったからですよね。
出典:https://www.bitcoincash.org/ja/
そこからフォークブームが訪れ、ビットコインゴールドやビットコインダイヤモンドなど様々なフォークコインが誕生しています。(ユーザーに付与されたかどうかは置いといて)
なので、今回もまたフォークコインがもらえる=儲かるのでは?と言われていたのですが…どうもこれまでのハードフォークとはワケが違う様子。
ハードフォーク(アップデート)を起こすのは、もともとBitcoinABC(以下:ABC)というクライアントだったのですが、そのアップデート内容を見て怒り心頭だったのがクレイグ・ライトという人物です。
ビットコインの生みの親であるナカモトサトシの考え方から逸脱しているとし、ABCのチェーンを消滅させる・ハードフォークを許さないと宣戦布告をしたのです。単純なハードフォークとは違い、このたびはビットコインキャッシュのふたつのクライアントである「ABC」と、クレイグ側の「SV」とに真っ二つになったのが、騒動の発端でした。
出典:https://bitcoinsv.io/
当然、投機勢はハードフォークならフォークコインが生まれる、それまでにビットコインキャッシュを買っておこうと買い集めます。しかし、フォーク後に付与されたコインが安全に売買できるかどうかがわからない上、どちらかのチェーンが消滅する可能性もあるという不安もあります…。
そして起こった11月のハードフォーク。
クレイグが自身のTwitterで「ビットコインが1,000ドルになってもかまわない」という発言をしたり、ビットコインキャッシュはもちろん相場全体の不安を煽りに煽ったため、ビットコインキャッシュの価格はフォーク後に下落していきました。
結果はネガティブなハードフォーク
先ほどお話ししましたとおり、ビットコインキャッシュも、もともとはビットコインからハードフォークして誕生したものでした。ここでもSegwit(セグウィット)の実装であったりブロックサイズの問題がありましたが、それでも各々の考えを貫いた結果、それぞれのコミュニティが生まれ、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)という別のものが誕生しました。
結果としては、ビットコインキャッシュはビッグブロックによってスケーラビリティ問題の解決に向けたものになり、ビットコインは仮想通貨全体の基軸通貨として、ブロックサイズを変更せずとも問題を解決できるよう取り組んでいます。
たとえば…
- ライトニングネットワークの開発
- Segwitの実装
- コアのアップデート
- コインセレクションの実装
などが挙げられます。
このように、ハードフォーク後もそれぞれが開発を進め、より良いものにしようと注力していることがわかりますね。
しかし・・・。
今回のABCとSVによる対立で起こった各ハードフォークは、結局ビットコインキャッシュの価格暴落と、フォークコインの誕生、そして何より信頼の失墜が残りました。
ビットコインキャッシュはクライアント同士の分裂、つまり「内輪揉め」の状態。
投機勢もフォークコイン狙いでビットコインキャッシュを買いあさり、価格が高騰してからの、フォーク後の急落…。ただ相手を許さないとするSV側と、方向性が変わりつつもより良い機能を…とアップデートを行ったABC側、双方の意見の食い違いが市場への不安を大きくしてしまいました。
この内輪揉めは長期的な戦争状態になると思われていましたが、リプレイプロテクションもつけて決着という流れになっていますが、クレイグが本当にこれで諦めたのかどうか、今後どうなるのやら…。
要因その2・ハッシュレートと下落のスパイラル
2018年に入って右肩上がりだったビットコインのハッシュレートですが、11月をヤマに下落しています。
ハッシュレートとはマイニングを行うための採掘(マイニング)速度のことで、「マイナーが多い=マイニング機材も多い=マイニングがはかどる」ということで、採掘速度も上がります。
しかし、そのハッシュレートが下がっている…つまり、マイナーの数が減っていると言えます。
マイニングを行う(取引の検証・承認)と報酬としてビットコインを得ることができますが、なぜここにきてマイナーが減っているのでしょうか?
マイナー撤退による価値の低下
ビットコインの価格が大きく下がった11月、仮想通貨関連のニュースサイトでは「マイナー」に関する話題が取り上げられるようになりました。
それは、マイナーの撤退。
アメリカの大手マイニング企業・ギガワットの倒産、日本ではGMOインターネットによるマイニング事業が約6億円の赤字に、さらに中国ではネットにてマイニング機材が大量に販売されていたりと、「マイニング=儲かる」という図式が崩れています。
中国・日本ともに電気代が上昇していることも、マイニングに大きく関係しているでしょう。そのため、マイニングを行うマイナーが少なくなったことでハッシュレートが急激に低下していると思われます。
ハッシュレートの低下(マイナー減少)がビットコインの価格低下につながる理由ですが、これはビットコインの価値がどこから来るのか?という部分に大きく関係があります。
ビットコイン(BTC)の価値とは
そもそもビットコインがなぜこんなにも注目されているのかと言えば…
非中央集権である
→つまり取引の仲介となる銀行や、運営している企業といったものがないこと、攻撃対象になりにくい
分散型である(P2P)
→攻撃が起こっても復旧が容易であったり、データが失われることがない
ビットコインは特定の管理者がいない「P2P(ピア・ツー・ピア)」という通信方式によって取引が行われており、これにブロックチェーンを組み合わせることで、取引を正しく行っていく仕組みになっています。
さらに、ビットコインのコンセンサスアルゴリズムであるProof of Work(PoW)は、ブロックチェーンに取引データを記録していくためにマイナーが報酬を求めて競い合う計算合戦となっています。
マイナーは正しくデータを承認してブロックを生成すれば、報酬がもらえます。不正なく取引を検証すれば、報酬がもらえるマイナー。マイナーが増えればよりビットコインのネットワークは分散化され、セキュリティに強くなる。
これが、ビットコインが画期的であると言われている所以です。
そして、ハッシュレートの低下と価格の低下につながる理由でもあり、価格が下がることでさらにマイナーはマイニングにかかるコストから、退場してしまうという負のスパイラルに。
そのため、この度マイニングの難易度(ディフィカルティ)調整では-15%と大きく下がりました。つまりマイニングしやすくなったということですね。
とはいえ、今後マイナーが戻ってくるか(ハッシュレートの回復)は、ビットコインの価格にもかかっていると言えます。
要因その3・ハッキリしない規制
日本ではもちろんですが、世界各国で仮想通貨に関する規制が着々と進められています。規制と聞くとトレードがやりづらくなるというイメージがあるかもしれませんが、一定のルールがあることでトレーダーは不安なく取引をすることができますよね。
現在仮想通貨の取引においては、株とは違っていわゆる「グレーゾーン」が数多く存在しているのは、皆さんご存知のことだと思います。
特に仮想通貨はマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されやすいと言われており、G20(財務大臣・中央銀行総裁会議)やFATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)でも、どのように規制していくかが今後の論点になっています。
現在のところ仮想通貨に関する法律はまだまだ整っているとは言えませんし、市場の健全化を目指して、一刻も早く足並みをそろえたルール作りが望まれています。
ステーブルコインとして知られるテザー(USDT)の疑惑への対処、世界各国で議論されるマネーロンダリング対策をどのように行っていくかなど、規制に残るあやふやな部分が不安材料になっていると言っても良いでしょう。
ただ、この部分は急ピッチで議論が進められており、今後国内外で次々に公告が行われるのではないでしょうか。
最後に
ビットコインや各アルトコインに関するファンダメンタルは数多くありますが、ファンダが価格上昇に必ずしも直結するわけではないのが、仮想通貨の難しさ。2017年末の大きな盛り上がりから一転、2018年はまさに「膿を出す」年になりました。
2019年はビットコインETFの認否、ICE(インターコンチネンタル取引所)によるビットコイン先物取引&カストディサービスのBakkt(バックト)の認否をはじめ、メインネットが始動するアルトコインも多々あります。
多くの有識者は、長期的に見たビットコイン価格をこれまでの最高値よりもかなり上に見ていることからも、まだまだ仮想通貨の市場はこれからだと言えるでしょう。
目先の価格にとらわれすぎないように、しっかりとビットコイン(仮想通貨)の中身につながるファンダを集めてみてくださいね。
筆者も講師陣として活動をしている有料プライベートグループ「Cryptolabo(クリプトラボ)」では、初心者・中級者~ともに仮想通貨トレーダーとして幅広く知見を広げられるよう随時ボイスチャット・情報配信等を行っています。ぜひご活用ください。
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