- 米大手ウォレット企業、機関投資家を対象とした新サービス開始
- 米国の仮想通貨ウォレット企業BitGoが新たに機関投資家などを対象とした仮想通貨カストディサービスを開始することがわかった。オフラインで取引を完結して機関投資家の懸念に対応しながら仮想通貨の清算や決済が可能となる。
米BitGo、機関投資家向けのカストディサービス開始へ
世界大手のビットコイン・ウォレット提供企業BitGoは米14日、機関投資家に向けた清算および決済を行える仮想通貨カストディサービスを開始するとプレスリリースを通じて発表した。
今回のカストディサービスでは、現物資産は常にオフライン下で管理され、最終的な出金要請時にブロックチェーン上にトランザクションを載せる仕組みをとる。つまりシステム上ではデジタル数字のみのやりとりで完結(保有するBTC量を超えることはない)するため、ブロックチェーンを利用するタイミングは顧客が現物のビットコインをサービスから引き上げるタイミングのみに限定する。
これにより仮想通貨特有のリスクを解消した決済システムの提供を行う。また、このシステムにおいて重要となる顧客のマッチング(両顧客がBitGoのシステムを利用する必要がある点)を実現するために、BitGo社の強力な顧客基盤を構築する。
単一のカストディかつチェーンを介さない決済、清算システムが複数の業者間で確立した場合、投資領域だけではなく、決済領域も含めた安全な環境を整備することが可能となる。
「通常の仮想通貨取引では取引の一方側が全てのリスクを背負わなければいけないが、機関投資家にこれを求めるのは合理的ではない」とBitGo社のCEOであるMike Belshe氏は説明。リスクを抑え、効率的に規制に準拠した形での決済を可能にすることで機関投資家も安心して仮想通貨の取引が可能になる利点を指摘した。
BitGo社は今回の新サービス開始によりOTCのトレードデスクや単一ディーラーや取引所、資産運用企業やブローカーディーラーなどの誘致も図っていく模様だ。
昨年10月にゴールドマンサックスからも出資を受けたBigGoは米国のサウスダコタ州からカストディアンとして認定を受けていた。規制に準拠する必要のある機関投資家にとって米州政府から認定を受けていた点などはBitGo社の強みであると言えるだろう。今回のサービスもカストディに、しかもオフチェーンという安全に保管した状態で取引が可能となる点は既存の仮想通貨に対する懸念を考慮したものだと言えるだろう。