
前回の記事で、ブロックチェーンゲームに使われているノンファンジブル・トークン(NFT)の概要とセカンダリーマーケットについて考察しました。
関連:ブロックチェーンゲームに使われているトークンの概要とセカンダリーマーケットについて
今回は、前回に引き続き、直近のブロックチェーンゲーム市場のセカンダリーマーケット(2019年4月)と、ゲーム領域以外のNFT取引について考察したいと思います。
高額で取引されるNFT
上記の図は月間(2019年4月)の1件あたりのNFTのセカンダリーマーケットの取引を高額な順に並べたものになります。一番取引額が大きかった取引はマイクリプトヒーローズ(MCH)の60.45ETH(現在の価格で約180万円)になり、その他も同タイトルの高額取引が目立ち、NFTのセカンダリーマーケットを牽引していることが分かります。
他の特徴として、ZedTokenというタイトルが45ETH、43.5ETHと高額で取引されています。ZedTokenはZEDという競走馬の育成ゲームで使用されているトークンであり、3月にクラウドセールが実施され、その直後のセカンダリー取引で高額売買されました。
日本でもクリプトスペルズ(CryptoSpells)というブロックチェーン技術を使用したカードゲームのβ版がリリースされ、多くのユーザーが参加して盛り上がりを見せており、今後もさまざまなタイトルのゲームが誕生し、盛り上がることが予想されます。
ゲーム以外にも活用されるNFT
ゲームの領域以外にもNFTの特徴を活かし絵画や音楽などのコンテンツの所有権をトークン化して管理する注目すべき取組が出ています。
アニメ×ブロックチェーン
Aniqu株式会社はブロックチェーン技術を活用した新サービス「Aniqu(アニーク)」を開始することを発表し、第一弾としてアニメ「進撃の巨人」のデジタル所有権をトークン化し、5月8日より抽選販売しています。
音楽×ブロックチェーン
国産マーケットプレイスのbazaaarを運営するBlockBase株式会社は5月16日、音源ファイルに関するレコード制作の権利(原盤権)の一部をトークン化する取組を発表しました。これにより、トークンの保有者は著作者や管理団体に対して使用の許諾無しにさまざまな権利を行使することができます。
上記の事例の様に、著作権や所有権をトークン化し、流通させる取組事例が出てきています。ブロックチェーンの技術を使った権利移転や真贋証明などのユースケースは幅広く、今後もさまざまな領域で検討が行われることになりそうです。
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参考
・metaps Medium
文:望月一弘