イーサリアム(Ethereum)1.xとは?2019年の発展に期待

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。

早いもので今年ももう終わりが近づいてきました。2018年にイーサリアム(Ethereum)は5度目となる大型アップデートとなる“ビザンチウム”を実装。来年1月にはマイナーアップデートとなるコンスタンティノープル実装を控えています。

そんな中、2019年予定しているイーサリアム自体を”大幅に改良するイーサリアム1.x”という実装についてのミーティングがDEVCON4の間に“密かに”行われ、話題となっています。本稿ではイーサリアム1.xについて見ていきます。

イーサリアム1.xとは?

イーサリアム1.xとは、現在のイーサリアムネットワークをVer 1.0とした時、イーサリアムの完成版となるセレニティで実装予定のイーサリアム2.0までの新しい改良バージョン(例:Ver 1.3やVer 1.6など)を示すものです。Xとなっているのは、実装バージョンが決まっていないまたは2.0までに複数実装する可能性があるからであると考えられます。

つまり、仮想通貨メディアであるコインデスク(Coindesk)がEthereum 1xと表記しているのはミスであり、Ethereum 1xは間違いとなります。

eWASMをイーサリアム2.0より先に実装する

コンスタンティノープルはマイニング報酬を現在の3ETHから2ETHへ減少させるEIP-1234以外はEVMのOPCODEの調整であり、イーサリアムの処理能力自体は変わりません。

しかしイーサリアム1.xでは、2.0で実装予定であった次世代EVMであるeWASM(Ethereum flavored WebAssembly)の実装が予定されており、スマートコントラクトを実行するヴァーチャルマシンの改良によりイーサリアム全体の処理能力が大幅に向上することになります。

イーサリアムコアデベロッパーはコンスタンティノープルの実装とは別にeWASMチームが並行してリサーチ、および開発を行ってきたため、予定よりも早く実装ができるのではないかと見られます。WebAssemblyは機械語(コンピュータが理解できる形式)に近く、EVMより大幅な処理速度改善が期待できるでしょう。

RentやIPFSの実装

イーサリアム1.xで実装が予定されているものはまだEIP(イーサリアムの実装改善提案)もまだ作成されておらず、各種のワーキング・グループによりリサーチが行われています。

IPFSは同様の仕組みで開発されている分散ストレージのSwarmが既に2017年7月にMistに統合されていたことから、いよいよワールドコンピュータの完成形へのアプローチを開始したと言えます。

また、ブロックチェーンのフルアーカイブデータが1TBを超えていることから、2017年に比べ10倍にあたる5億のイーサリアムアカウントやコントラクトの使用容量に応じて手数料を払うRentモデルによる容量の削減は今後増え続けることから、最も巨大なエコシステムとしてイーサリアムは一歩先を行っていると言えます。

デベロッパー間の意見の対立

今回行われたプライベートミーティングは、世界中からコアデベロッパーを含む多くのコントリビューターが参加したにもかかわらず、一部の主要デベロッパーのみしか知らなかったことにより、大きな議論へと発展しました。

中でもイーサリアム1.xが公になった後のコアデベロッパー会議では、50分にも及ぶ議論となり、eWASMデベロッパーのLane氏は、「DEVCONで世界中から違う企業やデベロッパーが集まるのはアドホックな会話ができるからだ」と述べるも、プライベートな会議で呼ぶデベロッパーの範囲や人数に定義はできず誰かが責任をとることもできないため、不穏な空気となりました。これはOSSプロジェクトには大きな問題であると言え、今後のトラブルに発展する可能性もなくはないと言えます。

2019年はイーサリアムに大きく期待

2018年はサイドチェーンおよびイーサリアムエコシステム全体が大きな成長をしたと言えますが、イーサリアムネットワークとしてはCasper移行へのETH新規発行量減少ほどで大きな進展はなかったと言えます。

しかし、イーサリアム2.0の前倒しでeWASMやIPFSの実装が来年6月を見据えていることから、2019年は下落を続けるETH価格は2017年のように大きく高騰する可能性があるといえるでしょう。

イーサリアムエコシステムは、常にブロックチェーン業界で一歩先を行き、時価総額がビットコインを超えるのも夢ではないと私は考えています。2019年こそはイーサリアムの年といえるかもしれませんね。

イーサリアム(ETH)のリアルタイムチャート

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▼イーサリアム1.xについては詳しく墨汁サロンレポートで解説を行っています。

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