4年前後で21万ブロックがマイニングされると迎えるビットコイン(BTC)の半減期が、2020年5月ごろに迫っています。5月24日のブルームバーグ(Bloomberg)記事によると、マイニングの報酬は半減期を迎えると半減することになっていますが、市場ではその前後にビットコインの価格上昇があるのではないかとの期待が高まっています。
2020年に迎えるビットコイン(BTC)の半減期で報酬は遂に6.25BTCに減額
ビットコインの半減期とは、発行上限(約2,100万BTC)を管理するため、マイニング報酬を半額にすることでビットコインの新規発行を抑制する仕組みです。ビットコインはすでに、1,772万BTCが流通しており、残りはわずかになっています。そうは言っても、BTCが掘りつくされる予定の2140年はまだ先の話です。
ビットコインはこれまでに2012年、16年の2回半減期を迎え、マイニング報酬はそれぞれ25BTC、12.5BTCと半減され、今度は20年5月ごろに半減期を迎えて、報酬はさらに半減されて6.25BTCになる訳です。半減期は4年後と決まっている訳ではなく、ブロック生成のスピードに依存しますが、過去の2例のようにおよそ4年で半減期を迎えます。
過去2回の半減期前後は確かにビットコイン(BTC)価格が大幅上昇
Twitter上で実施された最近のアンケートによると、調査に応じた2,500人の内61%が、2020年に迎える半減期にビットコインの価格が大きく上昇すると予測しています。マイニング報酬が半額に削減されることから、流通するビットコインの供給数が大幅に減り、その結果コインの希少感が市場に広がり、価格が上昇るという論理です。過去2回の半減期を迎えた際には、そのような現象が確かに起こりました。
12年の半減期には、ビットコインの価格は10ドル(約1,100円)から一挙に1000ドル(約11万円)に急騰しました。また16年の2回目の半減期以降は、価格は着実に上昇し、17年末に2万ドル(約2200万円)と史上最高値を付けた後、18年以降悲劇的な価格下落傾向を演出しました。
銀行員ですらUSD造幣が半減すれば不安になるが、BTCなら大騒ぎなのか?
20年に迎える3回目の半減期について、モルガン・クリーク・デジタル(Morgan Creek Digital)のアンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliiano)共同創業者兼パートナーは、その重要性について「米ドルの毎日の造幣が突然永遠に半減する事態を想像して見たまえ。銀行員は、たとえUSDが乏しい資産ではないとは言っても、その事態になれば取り残された不安を感じる(FOMO)だろう。さて世界で最も乏しい資産の1つである毎日のBTC供給が半減される時、人々はどうしようとするのか想像してみたまえ。私なら座視できない」とTwitterに投稿しています。
Imagine if daily printing of US dollars was suddenly cut in half forever. Bankers would be FOMOing even though USD isn't a scarce asset.
Now imagine what they're going to do when the daily Bitcoin supply is cut in half for one of the scarcest assets in the world.
I can't wait.
— Pomp (@APompliano) 2019年5月22日
とは言うものの、すべての人が熱狂的な関心を持っている訳ではありません。メッサリ―(Messary Inc.)のエリック・ターナー(Eric Turner)研究部長は、ビットコインの半減期と価格の上昇との関係は根拠が極めて薄いという考えを持っています。金融投資会社 DA Davidson & Co のマネジングディレクターであるギル・ルリア(Gil Luria)氏は「ビットコイン価格に影響を与える要因は非常に多くあるが、これは(半減期)はその要因の1つと言い切れない」と述べています。
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参考
・Bloomberg