ネム・ベンチャーズ(NEM Ventures)がカーシェアリングを提供するMobiへの投資を発表

ネム(NEM)ブロックチェーンのベンチャーキャピタル部門であるネム・ベンチャーズ(NEM Ventures)が乗車のシェアリングサービスを提供するモビ(Mobi)への投資を6月4日に発表した。Mobiの提供するサービスでNEMのブロックチェーンはどう使われるのだろうか。

カーシェアリング「Mobi」とは

日本においても、シェアリングエコノミーの考え方が定着しつつあり、サービスも増えてきているように思う。Mobiは、オーストラリアのメルボルンで乗車のシェアリングサービスを提供する企業で、同名のサービスは、通勤やどこか遊びに行く際の乗り物を共有できるというものになっている。同じ方向の人と相乗りし、移動にかかる費用を分けあうという内容だ。

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出典:Mobi

これにより、物理的に車の同時走行台数が減り、社会問題となっている二酸化炭素排出量や交通渋滞を減らすのに役立つとしている。このMobiにより通勤文化にイノベーションが起こるのだろうか。Mobiが生み出すメリットは下記の通りだ。

費用対効果

オーストラリアでは、一人当たり年間平均11,000ドルを車での通勤に費やしている。Mobiは、公共交通機関ではなく、車の利便性を提供する。運転に必要な費用を削減し、運転手と乗り手で分担することができる。

移動の利便性

どこに行くにも、Mobiは目的地までサポートする。目的地に近い駅を確認する時代は終わり、乗り手のところまで迎えに行き、目的地で降ろしてくれる。

コミュニティ

カーシェアリングをさまざまな人と行うので、新しい友人やコミュニティを作る機会が生まれる。

環境配慮

単独での乗車は、道路を走行する自動車の80%を占めるという。Mobiでカーシェアリングすることで、排気量が減少し、環境への影響を軽減させることができる。

Mobiのサービスを使用すると、乗り手の目的地までのルートに沿っている他のユーザーを探すことができる。車がどこを走っているか乗り手は確認でき、ドライバーの趣味などを確認することができる。そして、乗車が終了した際は、ドライバーと乗り手が相互に評価できる仕組みだ。カーシェアリングによって二酸化炭素の排出量削減にも貢献していることになる。安全性機能として、GPSマッピングや、信頼できる連絡先、緊急サービスなども強化している。

地球温暖化に効果的な相乗り文化

オーストラリアのアデレード市は、温室効果ガス排出総量をオフセットする考え方であるカーボン・ニュートラルのトッププロモーターであることが知られている。実際にアデレード市は、カーボン・ニュートラルの実現に世界で最も近い都市の1つとなった。

アデレード市では、ソーラーパネルやLED照明の普及など、「カーボンニュートラルアデレード行動計画」を掲げている。その中で、自動車が二酸化炭素の総排出量の91%を占めていることから、ゼロミッション車の採用と相乗りを取り入れると発表している。

NEMブロックチェーンとMobi

Mobiでは、NEMと統合することでサービスの最適化を図っている。特にカタパルト(Catapult)との統合で、集約トランザクションが可能となり、NEM上の通貨であるゼム(XEM)払いが可能となる。Catapultのリリース直後に、Mobiのアプリ内でXEM払いを可能にするとしている。

NEMブロックチェーンの使用用途として、支払いの他に、ロイヤリティポイント、二酸化炭素排出量に関するデータの保存、持続可能性対策を記録するための複数当事者間のエスクロー取引などが考えられる。

その他に自動会計、自動車やドライバーに関する保険の最新情報維持、暗号化されたメッセージチャットなどNEMブロックチェーン固有の開発も対象としている。これは、NEMブロックチェーンの特性を利用したアポスティーユ(公証)機能を利用するものだろう。

Mobiの共同創設者であるダニエル・ローガン(Daniel Logan)氏は次のように述べた。

「ロードマップ最初の都市であるメルボルンは、通勤者が約210万人、自動車のドライバーが130万人いる。Mobiは、通勤を全ての人にとってポジティブな体験にするための便利で手頃な方法を生み出すことにより、このギャップを埋める。アプリは、二酸化炭素の排出を削減し、交通渋滞も改善される持続可能なソリューションを作成する。また人口の多い都市部で必要な駐車スペースを解放するのにも役立つ。私たちは、より透明性を持ち効率的で低コストな方法で可能にしてくれるNEMと提携できるを嬉しく思う。NEMは強力なシステムを中心に構築されているため、ブロックチェーン上の機能へ直接的かつ安全にアクセスできる。そして、持続可能なライドシェアリングを大衆にもたらすことができるのだ」。

ネム(NEM/XEM)の価格・相場・チャート

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参照
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