ロシアが石油の国際取引にビットコイン(BTC)決済開始を準備中

ロシア国営石油会社ロスネフチ(Rosneft)が、石油の国際取引に仮想通貨による決済を開始するかもしれません。ロスネフチのイゴール・セチン(Igor Sechin)最高経営責任者(CEO)が、2019年6月5-8日にサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラム(SPIEF)で発言しました。

ビットコイン(BTC)備蓄は米国の経済制裁回避のため

セチンCEOはその可能性の背景に言及して、仮想通貨が世界的に関心を持って受け入れられており、多くのシリコンバレー大企業がエネルギー産業におけるブロックチェーン技術アプリケーションの開発を始めている状況を強調しました。セチンCEOの発言は、米国との対抗意識を明白に示しています。

国家経済行政に関するロシア大統領アカデミー(RANEPA)講師であり、経済学者であるウラジスラフ・ギンコ(Vladislav Ginko)氏は6月6日、セチン氏の発言に関連してTwitter 上で、「イゴール・セチン氏は今日、石油発送の決済手段として、仮想通貨を受け取る可能性があると発言した。ロシアは1月、米国の(経済)制裁を回避するため、国際貿易でビットコイン(BTC)の備蓄を開始しようとしてきた」と投稿しました。

ギンコ氏は19年初め、クレムリンは「米国のさまざまな制裁がロシア経済に及ぼす影響を無効にするため、米ドル(USD)準備金を世界で最も価値ある資産(BTC)に置き換える計画を持っている」と述べていました。同氏は米国がロシアの貿易上の利害を米ドルの力で対抗(侵害)する決定を下すならば、ロシアの国益を守るために仮想通貨を利用することになるだろうと繰り返し強調しています。

ロシアは米ドルの世界支配から脱する政策決定か

ロシアによる脱米ドル支配の決定は、ギンコ氏によると、「ロシアの石油・天然ガスに対する米国指定の決済手段(米ドル)」を断ち切って「ロシア国家の利害を保護する」のが目的です。ビットコイン(BTC)と広く仮想通貨の保有量は今や、ロシアのGDPの8%を占めています。ギンコ氏は、米国の制裁を回避するため、ロシアはビットコイン(BTC)を含めて準備金を多様化する方針を採用することになったと説明しています。ユーロ、人民元、日本円の保有増もその一環であると、英デイリー・テレグラフ紙が伝えています。

ロシアのプーチン大統領は、デジタル資産に理解を示してきたことで知られています。一例を挙げると、プーチン大統領はブロックチェーンやAIに予算を割り当て、最善の利用法を追求するよう求めてきました。

ペトロ(Petro)の失敗を教訓にBTCの備蓄進める

ロシア国家会議(下院=Duma)もまたプーチン大統領の指示を受けて、仮想通貨規制という難しい問題に取り組んでおり、ロシアの民間企業は石油と連動する仮想通貨トークンの発行に期待を掛けています。元エネルギー相でロシアの投資会社エネルギア(Energia)のイゴール・ユスホフ(Igor Yusufov)会長は、石油連動の仮想通貨発行に陰で支援しているといわれています。

ユスホフ氏は、プーチン大統領から指名されてエネルギー相(2001-2004年)を務めた経歴もあり、石油産業や米国の経済制裁の効果など困難な問題について、最も深く知りうる立場にあるとされています。

ユスホフ氏は、懲罰的な米国の政治的決定からロシアの石油産業を救うことができる最善方策は、しっかり管理されたデジタル通貨であると信じています。もちろん、トークンの発行は、ベネズエラの政府のペトロ(Petro)と同じ道を歩むという根強い懸念があります。何故ならば、ペトロはすでにベネズエラの貿易相手国からも受け入れを拒否されているからです。ロシアはペトロを教訓に、慎重にビットコインの備蓄を進めています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

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参考
Ethereum World News

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