韓国最大手の電子製品メーカー サムスン(Samsung)は、イーサリアムなどに代表されるブロックチェーン上のアプリケーション”DApps”を開発するSDKのβ版(ソフトウェア開発キット)を公開。このSamsung Blockchain SDK(以下:SDK)は現在イーサリアムのみとなっている。
イーサリアムをサポートしたサムスンのSDK
サムスンといえば、韓国最大手の電子製品メーカーで知られる大企業だが、2017年5月にイーサリアムの企業グレードでの開発のためのエンタープライズイーサリアムアライアンス(EEA)へ参加、2017年末にはイーサリアムのマイニング用のGPUチップや、中国のマイナーと提携し、ASICの開発を行っていたことで広く知られている。
今回公開されたSDK β版では、今後多くのブロックチェーンをサポートする可能性を示唆しており、現時点ではイーサリアムのみのサポートで、下記のように限られたサービス提供となっている。
- デバイス: Galaxy S10e, S10, S10+, S10 5G ,Galaxy Fold
- 地域:カナダ、韓国、アメリカ
- ブロックチェーン:イーサリアム
Samsung Blockchain SDK β
SDKでは、デベロッパーがDAppsやブロックチェーンアプリを開発する際に必要とする全ての機能を備えており、このSDKはブロックチェーンアカウントの管理も可能となる。下記を可能とするとしている。
- アカウントの作成、ストレージ、管理、有効なアカウントのバックアップ
- UI上での仮想通貨支払いのゲートウェイ
- 外部のコールドウォレットまたはSamsung Keystoreの使用
- トランザクションの生成と結果の返し
- デベロッパーモード:独自のHDパスとHDウォレットのリストア、RPCの設定及び取得
- Samsung Blockchain Proxy Nodeのオフチェーンデータベースからトランザクション履歴を取得することの円滑化
また実用性として、3ステップの手数料見積もり、フィアット価格でのレート、仮想通貨の価格、イーサリアムのERCトークン情報も可能とするとしている。今後、サムスンが多くのブロックチェーンに対応していくことにより、DAppsの仮想通貨決済をブロックチェーンごとに行う必要はなくなり、このSDKのゲートウェイを使用することで課金などもより円滑になっていくだろう。
出典:https://developer.samsung.com/blockchain
【こんな記事も読まれています】
・【墨汁速報】イーサリアム2.0(セレニティ)今後のタイムラインと方針を提案
・イーサリアム(Ethereum)のDAppsユーザーの実態が明らかに!Metamaskが統計データを発表
・DApps(分散型アプリケーション)とは?さまざまな視点から考察!