バックト(Bakkt)ビットコイン(BTC)先物のユーザー受け入れ試験開始

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社ICEが創設した仮想通貨関連のプラットフォームを提供するバックト(Bakkt)が2019年7月22日(米国時間)、いよいよビットコイン(BTC)の先物取引のユーザー受け入れテストを開始します。

一般消費者のほか主として機関投資家を対象とする先物市場であるBakktは18年末に創設以来、認可をめぐって規制当局との交渉が難航、うよ(紆余)曲折後ようやくテストが始まる訳で、暗号資産(仮想通貨)市場にどのような影響を与えるか大いに注目されています。

限られた参加者対象にユーザー受け入れテスト実施へ

Bakktの最高執行責任者(COO)であるアダム・ホワイト(Adam White)氏は、ブログを通じて、ビットコイン先物市場提供までの道程は容易ではなかったことを次のように語っています。

「ここまで決して小さな一歩ではなかった。事業開始は、仮想通貨市場にアクセスする新たな基準に向けた先駆けである。ほかの市場と比較して、仮想通貨への機関投資家の参入は、市場のインフラと規制上の確実性などの限界によって制約を受けてきた。その結果、ICEのブレント原油先物取引など世界的信用を得た市場と比較して、取引量や流動性、価格の透明性などで劣る結果を招いた」

ユーザー受け入れテストは、参加するテスターが限定されていますが、市場ではこれがビットコイン価格にどのような影響を及ぼすかに関心が集まっています。受入テストが正式に開始されることは、Bakktが米証券取引委員会(SEC)から、最終的に必要な規則や規制に準拠し、すべての懸念をクリアしていることを意味します。

年内にはビットコイン先物本格取引の開始か?

ユーザー受け入れテストはもちろん、文字通りベータテストの域を超えず、テストの受け手も限られますから、ビットコイン価格に与える直接の影響はほとんどありません。しかし、テストが成功すれば、遅かれ早かれ実際の取引が始まることはほぼ間違いなく、一部投資家はその取引にいち早く参加し、投機することが可能です。これが直ちに大きな価格上昇につながることはないでしょうが、現状を揺り動かすことは十分ありうることです。

Bakktはこれまで、最終期限を何度も延期してきました。今回のテストによって、Bakktは大きく前進して、新しい金融商品の開発が最終局面に入ることを意味します。常識的には数週間でテストを終了し、年内にもビットコイン先物取引のめどが立ち、事業にこぎつけることができるかもしれません。

Facebookのリブラ発行問題を含めてBakktに合わせた規制問題が課題に

しかし、一部の専門家は、米政府の規制問題の対処に懸念を表しています。それはFaebookが独自の仮想通貨リブラ(Libra)発行計画を発表したことに関係します。中央銀行を含めて世界すべての政府が、改めてビットコインとアルトコイン全般について、強い関心を示していることです。

さまざまな議論がある中、リブラはビットコインより厄介な問題となっています。現段階で、この問題に対してどのような規則や規制措置が取られるのか定かではありません。Bakktがテストに成功して、ビットコイン先物商品の取引を開始することを最終的に決定するころまでに、米政府がBakktの商品を含めて、取引を禁止する規制措置を作成する可能性はないとは言えません。

Bakktの試みは「(月面打ち上げにもたとえられる)壮大な賭け」と評されたことがありますが、アポロ月面着陸から50年記念日(7月20日)の2日後に始まる今回のテストは、先物の保管対策を含めて規制に沿って実施され、機関投資家の本格的参入を抑制してきた限界に挑戦する壮大な試みになると、アダム・ホワイト氏は強調しています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Will Bakkt’s Monday Beta Launch of Bitcoin Futures Impact BTC Price?
Putting Bakkt’s Bitcoin Futures to the Test

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