ブルームバーグが変心、ビットコイン(BTC)の弾力性を認める

仮想通貨専門メディアを除く主流メディアは、ビットコイン(BTC)はじめ暗号資産(仮想通貨)について、概して中立的立場を貫くか、批判的な見出しを用いるケースが多いようです。

その中で世界最大手の経済・金融ニュースメディアであるブルームバーグ(Bloomberg)が最近、「Bitcoin is (probably) here to stay(ビットコインは”恐らく”広く受け入れられている)」との記事を掲載して、ビットコインに対するこれまでの厳しい見解を和らげて注目されています。

「仮想通貨の冬の時代」に雪解けと評価

ビットコイン(BTC)の価格が2019年初頭以来、ほぼ270%も値上がりしていますが、ブルームバーグはそれを「仮想通貨の冬(の時代)」の雪解けと表現しています。6月28日に公開された記事の中で、ビットコインの価格が18年の約4,000ドルから今では約1万4000ドルに届こうとしていると伝えています。

ブルームバーグによれば、そのような結果をもたらしたのは、米中貿易摩擦でビットコインの需要が増したこと、20年の米大統領選を目指して民主党が一段と左翼化して、トランプ大統領の財政赤字の「責任」を追求するとともに、「富裕税」導入を主張し始めたことなどを挙げています。

さらにFacebookが独自仮想通貨「リブラ(Libra)」の発行を発表したこと、イランとの確執など爆発寸前の中東情勢なども、ビットコインの購買意欲を世界的に駆り立てる要因になっていると、ブルームバーグは分析しています。ブルームバーグの見解は、仮想通貨の弾力性あるいは回復力は、実世界の不安定と関係するというものです。

ビットコイン(BTC)価格上昇と共に金価格も6年ぶりの高値

ブルームバーグの分析によると、米国や欧州などでポピュリズムが再燃して世界的に広がっていることと、地政学的、経済的な緊張が大きく影響して、人々は抑制された収入に対する(リスク)ヘッジを取る目的で、ビットコインが改めて見直されているとしています。米ドルの価値の下落が原因で、ビットコイン価格の大幅上昇とともに、価値の保存ではビットコインと共通している金(ゴールド)価格が6年ぶりの高値で取引さるようになっているのがその実例です。

金の価格は最近高騰しています。金は19年初め以来ほぼ10%値上がりして、1オンス1,400ドルを付けたのは6年ぶりの高値です。これは法定通貨と株式など伝統的な投資に対する信頼が失われていること如実に示しています。

金とビットコインは限られた資産であり、価値の保存の観点から同類として扱われ、現在のような不安定な世界情勢の中では価値の保存の観点から金やビットコインが買われます。

人々はビットコイン(BTC)やゴールドなどセーフヘブン資産に注目

ニューヨーク大学教授で経済学者のヌリエル・ルビーニ(Nouriel Roubini)氏は、仮想通貨の悲観論者として知られていますが、目前のビットコインの復活についてこのところ沈黙を守っています。仮想通貨はいずれ崩壊するという彼らの予言は、実現していません。

貿易戦争や超大国による(例えばイランに対する)地勢的抑圧は、人々をビットコインや金などセーフヘブン(安全な逃避先)資産に目を向ける結果になりました。ビットコインも金も、近い将来その価値をさらに大きく持ち上げる可能性がないとは言えません。

ブルームバーグの論調の変化は、例えばYahoo Finance、CNBCなど主流メディアにも同様の影響を与えています。変化の最も大きな根拠は、ビットコインが今や通貨危機や金融不安に対する真のヘッジになりうる可能性です。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Bitcoin Is (Probably) Here to Stay
Bloomberg Finally Accepts Bitcoin ‘Is Here to Stay’

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