
イーサリアム(Ethereum)で最も広く利用されるブラウザウォレットであるメタマスク(Metamask)のモバイル版のリリースが近づいています。
分散型金融(DeFi)のサービスやDappsなどを触ろうとしたユーザーであれば、もれなくMetamaskをインストールしたことがあるはずです。そのウォレットがいよいよモバイル版がリリースするということで注目が集まっています。本コラムでは、テスト版を試したレビューを公開します。
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モバイル版Metamaskとは?
DAppsブラウザ
基本的にはDappsブラウザです。Web3.js をベースとして、イーサリアムのアプリケーションを楽しめるようになっています。ただしありがちなDappsブラウザと違いすっきりしており、ユーザーインターフェイスは1ランク上であると評価できます。
ブラウザのMetamaskと簡単に同期
ブラウザ拡張機能版のメタマスクをすでに利用しているユーザーは、生成されるQRコードをモバイル版で読み取るだけで、デバイス間の同期が簡単にできるようになっています。
同期の手順はこちらです。
State Channelをサポート
モバイル版メタマスクの特徴的な点として、State Channelをサポートしている点があります。State Channelは、特定の参加者間でチャネルを開き、オフチェーンで状態遷移を行い、ある時点でオンチェーンに記録をするというものです。
この技術は、ペイメントチャネルの応用です。プラズマ(Plasma)と同様にレイヤー2と呼ばれるものですが、Plasmaは2wayペグを元にしてサイドチェーンを構築していることに対して、State Channelはペイメントチャネルのアイデアを元にしています。
ライトニングネットワーク(Lightning Network)もペイメントチャネルの応用ですが、State Channelもペイメントチャネルの応用で、State Channelの場合は、単純なペイメントだけではなくState(アカウントの状態)もオフチェーンにできる点が特徴です。
こういった先端技術をメタマスクのようなユーザー数が多いウォレットで実装されることは意味のあることでしょう。
ブラウザのMetamaskでできることは何でも可能
その他にも、複数のテストネットへのアクセス、ENSのサポート、複数アカウントの作成などブラウザのMetamaskでできることは、ほとんどなんでもできると言って良いでしょう。
モバイルウォレットとして高機能
モバイルのイーサリアムウォレットとしては最も高機能でしょう。イーサリアム以外の複数のブロックチェーンに対応したモバイルウォレットとしては、トラストウォレット(Trust Wallet)などに軍配があがりますが、イーサリアムのモバイルウォレットでは最も使いやすいのではないかということが筆者の感想です。イーサリアムのアプリケーションをよく使うユーザーはダウンロードしてみると良いでしょう。
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