ネム(NEM)財団が8月20日、2019年8月のアップデートを発表した。暗号通貨ネム(NEM)は、次世代ブロックチェーンカタパルト(Catapult)への移行が迫る中、今月はどのような活動をしているのだろうか。また、NEMコミュニティーにおいては、どんな活動があったのだろうか。発表された内容を元に確認していきたい。
日本のコミュニティ活動情報
8月10日に福岡で開催されたITフェスティバル「EXA KIDS」にて、ウォレットアプリの「ラクーンウォレット(Raccoon Wallet)」やブロックチェーンを使った健康促進アプリFiFiCの展示を行った。イベント参加者は、それぞれのアプリに触れることで、NEMブロックチェーンと暗号通貨を体感することができたのではないだろうか。
また、再生医療などで注目を集める歯髄細胞の流通管理にNEMブロックチェーンを活用することで助成金が採用された。歯髄細胞は流通管理が難しいため、管理を徹底する必要がある。ブロックチェーンの正確性と監視可能な特性がうまく結びついたユースケースとなるのではないだろうか。
関連:NEM(ネム)で歯髄細胞の流通管理を行うシステムに岐阜県が研究助成金を採用
日本のコミュニティは、NEMの技術面においての投稿がQitta.comにてまとめられているので、これからNEMブロックチェーンを使いサービスを開発したい方は一読するといい。
他国のコミュニティ活動
マレーシアでは、アジア・ブロックチェーン・レビュー(Asia Blockchain Review)とパートナーシップを結び、ブロックチェーン技術全体の共有と促進のためのコンテンツ提供者となった。また、マレーシア政府のエージェント、NEM財団理事長アレックス・ティンスマン(Alex Tinsman)氏、またエコシステムパートナーを含んだ交流会を開催。政府がブロックチェーン技術を視野に入れる機会となったのではないだろうか。
南米においては、BIMTRAZERとの提携により、建設ソリューションであるビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)にNEMの技術を採用。日本においても建設現場でBIMの採用を後押しする企業が増えている。BIMにブロックチェーンを採用することで、複数人での作業をそれぞれ正確に記録することができ、またパターン化されたパーツなどをID管理できるのではないだろうか。また、南米ではBAIOTのソリューションにより、Catapultに関する技術トレーニングを開始している。
環境構築が目立った8月の活動
8月においては、Catapultに対して主だったトピックはなかったようだ。NEM財団周辺やNEMのコミュニティーを確認すると、Catapultの移行に向けたトレーニングやブロックチェーン技術に触れる機会などの環境構築が見受けられた。ブロックチェーンエコシステム自体がまだまだ未成熟であるため、企業や個人がブロックチェーンへの認識を増やす機会は重要だと考えられる。今後の動きにも注意していきたい。
参考
・NEM FOUNDATION AUGUST 2019 UPDATE
【こんな記事も読まれています】
・ネム(NEM)が建設業界技術に採用!ブロックチェーンの商用化広がる
・日本のネム(NEM)コミュニティ有志による実用化コンペが開催
・ネム(NEM)ブロックチェーンで再エネ化促進を目指す日本の事業