スペイン最大手銀行のサンタンデール(Santander)銀行は、イーサリアム上で2,000万ドル(約21.6億円)相当の社債を発行。同社はイーサリアムのエンタープライズ活用を目指すエンタープライズイーサリアムアライアンスにJPモルガンチェースやIntelなどと参加している。

スペイン最大手銀行のイーサリアム上の社債

Coindeskの報道によると、12日木曜日にサンタンデールは約21.6億円相当の社債をイーサリアムのメインネット上で発行し、決済にはカストディアカウントが保有するフィアットに裏付けされたERC20トークンで行うという。サンタンデール独自のステーブルコインかどうかは不明だ。

このイーサリアム上の社債トークンと、フィアットERC20トークンで決済するということは、仮想通貨とフィアットのような既存金融同士の取引所を介した決済ではなく、両者ともデジタル化されたトークンで取引するというところが肝となる。

Coindeskはこれを、「イーサリアム上で証券を発行して、フィアットと取引するということは、WhatsAppで質問して返事を手紙で出すことと同様だ」と述べ、イーサリアムオンチェーン上での取引の重要性を強調している。また、イーサリアムの特徴として、DEX(非中央集権取引所)のコントラクトで社債を簡単に売買でき、送金して保管できるというメリットもある。

増えるイーサリアムの証券活用

世界銀行も同様にイーサリアム上で社債を発行していたが、あくまでイーサリアムパブリックチェーン(ETHを使用する一般的なイーサリアムチェーン)上ではなく、限られた参加者のみのプライベートチェーン上だった。また2019年初旬、サンタンデールと同様にフランスのメガバンクであるソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)も同様に約121億円の社債をイーサリアムのパブリックチェーン上で発行していたが、ステーブルコインは発行していない。

サンタンデールによると、「サンタンデールの証券サービスをイーサリアム上でトークン化し、証券や現金をすべて自動化かつオンチェーンで行う」と誇示している。

1年債の利付債券

サンタンデールのアントニオ・トリオ(Antonio Torio)氏によると、プレーンバニラつまり基本的な形式であり、四半期の利付債権となり、1.98%の利回りとなる。また、「イーサリアム上での社債発行は、今後より複雑な取引が可能となる重要な第一歩であると考えている」とコメントしている。

また社債を取引するフィアットのERC20トークンは、DVP(証券の引き渡しと現金の受け取り)が行われるまでコントラクトでロックされるという。DVPがコントラクトで行われるため、スワップもトラストレスに行え、イーサリアムの最大の利点といえるだろう。

イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

参考:Santander Settles Both Sides of a $20 Million Bond Trade on Ethereum

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