暗号通貨業界の開発者の数がどのように推移しているかをさまざまな指標で示したレポートがエレクトリック・キャピタル(Electric Capital)社から発表されました。100ページ以上の同レポートは、業界の開発者がどの方向に向かっているかを明らかにしています。本コラムでは、同レポートをいくつかの主要なページをとりあげ要約して紹介します。
暗号通貨業界の開発者の数がどのように推移しているか
業界の開発者の数
暗号通貨の相場はさえないものの開発者の数は横ばいです。これは減ってこそいないものの、新規参入も少なくなっていることが示されています。
オープンソース開発者の数
オープンソース開発者の数は減少しています。全体の開発者の数は増えているにも関わらず、オープンソース開発が減少していることは企業向けの開発などが増えているのだということが読み取れます。
仮想通貨とプラットフォーム別開発者の動向
暗号通貨別の開発者の数
時価総額トップ100のプロジェクトは、開発者が4%(139人)減っているのに対して、トップ100以下のプロジェクトは、開発者が19%(824人)も減っていると示されています。
オープンソース開発者の多くがEthereum関連にコミット
業界のオープンソース開発者の18%がイーサリアム(Etheruem)関連のプロジェクトにコミットしています。これはギットコイン(Gitcoin)などの支援プラットフォームやイーサリアムファウンデーションなどが機能しているからでしょう。
開発者数が多い暗号通貨
40人以上のアクティブなコミッターが存在する暗号通貨はビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)以外でイオス(EOS)やカルダノ(Cardano)、モネロ(Monero)、ステラ(Stellar)、スチーム(Steem)、アイオータ(IOTA)、テゾス(Tezos)、 ブレイブ(BAT)、 ステータス(Status)、ウェーブス(Waves)、 トロン(Tron)、 コスモス(Cosmos)、 メイカー(Maker)、ネオ( NEO)、エターニティ( Aeternity)、 リップル(XRP)などです。
プラットフォーム別の開発者の増減
1年間で最も開発者が増えたセクターはメイカーダオ(MakerDAO)関連で開発をする人です。一方、最も減少をしたプロジェクトはイオス(EOS)です。
フルタイムの開発者の数
時価総額トップ100以下のプロジェクトを中心に開発者の数が減っているものは顕著に減少していますが、時価総額上位のプロジェクトはフルタイム開発者を増やしています。
イーサリアムのエコシステム内では、フルタイムの開発者が30%以上増加しました。
プロジェクトの将来を占う開発者推移
いかがだったでしょうか。開発者の数の推移や分布を確認することはそのプロジェクトの将来を占う一つの大きい要素になりえるなりえるでしょう。
とはいえ、これらのレポートは重要な指標も含まれているものの、その指標がどのような意味を持つかはよく考えて投資戦略や事業の参考にすると良いでしょう。
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