Twitter上で喧嘩を繰り広げるBitMEXとBInancceのボス二人

暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)にて、ビットコイン(BTC)先物取引の開発が公表されてから、競合であるビットメックス(BitMEX)との間で激しい論争が巻き起こっています。

事の発端は、Binanceの先物取引プラットフォームで発生した価格攻撃に対して、Binance最高経営責任者(CEO)であるジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng:CZ)氏が発信したツイートまでさかのぼります。

アーサー・ヘイズからCZへの皮肉

9月16日、BinanceのBTC先物におけるオーダーブック(注文一覧)にて突如300ドル(約3万3,000円)の価格下落が起きました。通常であれば、ここまでのリスク変動があると、投資家に対して清算処理が起きるものですが、この時に清算は行われず、投資家に損失はありませんでした。

CZ氏は「誰一人清算処理は受けていない。我々は先物価格ではなくインデックス価格での清算処理で対応しているからだ。これは私たちによるイノベーションだ」とTwitterに書き込んでいます。さらに今回の下落に関する情報は、マーケットメーカーによるミステイクだとも述べています。

CZ氏のツイッターに対して怒りをあらわにするのは、同じくBTC先物取引プラットフォームであるBitMEX最高経営責任者(CEO)のアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏でした。ヘイズ氏は、清算処理にインデックス価格を採用したのは自分達が先だと主張しています。

ヘイズ氏は、CZ氏を揶揄するかのように「次に私がシンガポールに出向く時には、“仮想通貨先物取引プラットフォーム101”の運営に立ち会うといい。私が1から“Cntl+C”と“Cntl+V”(コピー&ペースト)のやり方を教えよう」と発言しました。

また、インデックス価格がBinanceの先物取引におけるイノベーションだということに対し、「我々は、より公平な値付けシステムを作り上げるため、インデックス価格による清算処理システムを開拓してきた。我々の革新的な技術によって、投資家が保護され、利益を手にするのはすばらしいことだ。」と残しています。

これに対してCZ氏は「Twitterを読み返してみたが、ここに書いてあることは誤解を招く。私はインデックス価格による清算処理を、我々が発明したとは言っていない。どちらにせよ“編集ボタン”はもうないが」と発言については誤解であるとの弁明を行いました。

巨人たちによる試行期間

CZ氏がなぜ自分への非難を招きかねないようなツイッターを投稿したのか、はっきりとした真意は分かりません。しかし、ユーザーの中にはCZ氏をジャスティン・サン(Justin Sun)氏に例えるような声も上がり始めています。サン氏は仮想通貨トロン(TRX)の最高経営責任者(CEO)で、過剰なPRで有名な人物です。

オーダーブックの価格アクシデントがあった時も、CZ氏は騒動を起こしたマーケットメーカーを悪意のある攻撃者と公式に決めつけたことで、論争を巻き起こしています。後にそこには何の根拠もなかったことが明らかになりました。

それについてCZ氏は、「あれは単なるアクシデントだ。相手がたまたま間違っただけで、我々が意図して起こしたものではない」と書き込んでいます。

BinanceとBitMEXは2019年後半において、どちらも問題に直面しています。BitMEXでは、米商品先物取引委員会(CFTC)による調査が行われています。これはBitMEXが米国の認可を受けずにユーザーへ先物取引サービスを提供しているのではないかという疑いからです。

一方でCZ氏は、米国内法人格を取得した「Binance US」のオープンを控えています。現在のBinanceはアメリカ国内でのサービスを停止し、本体と分離された、新しいプラットフォームの立ち上げ計画を進めています。

参考
BITCOIN LIQUIDATIONS: BITMEX, BINANCE BOSSES DUKE IT OUT ON TWITTER

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