ブラウザへの導入でコスモス(COSMOS)の利便性を向上させるツールがリリース

COSMOSの利便性を高めるツール「Keystation」

コスモス(COSMOS)のSDKを用いて作られたブロックチェーンに対応する、簡単に秘密鍵を管理してトランザクションを実行できる仕組みが公開されました。COSMOSについての基本的な要点は下記のコラムで解説しています。

関連記事:ブロックチェーンのインターネット」を実現するコスモス(COSMOS)を簡単解説

キーステーション(Keystation)は、オープンソースのツールで、ユーザーはニーモニック(簡略記憶記号)をブラウザに保管することができるツールです。ニーモニックをGoogle ChromeまたはSafariブラウザのキーマネジメントシステムに格納するという手法を用いて、トランザクションができるようになります。

これにより、COSMOSベースのアプリケーションのユーザーエクスペリエンスが向上されることが期待されます。COSMOS版メタマスク(Metamask)のような位置づけになるでしょう。なお、導入したブラウザではCOSOMOSのトランザクションが簡単にできるようになるため、他者と共用使用するブラウザではないか、注意が必要です。

また、Keystationはオープンソースでもあるため、今後COSMOS SDKを用いたその他のアプリケーションブロックチェーンもこの仕組みを使うことができる点が特徴です。

バリデータプールのニッチ戦略

コスモステーション(Cosmostation)は、COSMOSのバリデータノードであり、韓国を拠点としています。10人程度の開発者を中心にしたチームで、ブロックエクスプローラーやウォレットなども開発しています。今回リリースされたKeystationはその一つです。このCosmostationは、どのように収益をあげるつもりでしょうか。

恐らくCosmostationの事業戦略は、バリデータノードを軸にして、COSMOSで開発したウォレットやインフラストラクチャを他のアプリケーションブロックチェーンにも適用させることでしょう。COSMOS HUBで利用できるウォレットやエクスプローラは、ユーザーがそのまま他のCOSMOS SDKブロックチェーンに使用することはできませんが、開発者はそれを元に横展開してサービスが運営できます。

結果、露出が高まり、様々なブロックチェーンでバリデータノードとしてバリデータ手数料収入を得れるというようなモデルを想定しているのではないかと予想できます。

現在ではCOSMOS HUB以外に、アイリスネットワーク(IRISnet)やカーライブチェーン(Carlive Chain:IOV)などを取り扱っており、これらは全てCOSMOS SDKをベースにしています。また、カバ(Kava)もテストネットで取り扱いをしており、メインネットがリリースされれば、引き続き取り扱われるでしょう。このようなCosmostationの事例は、バリデータプールのニッチ戦略として好例です。

Cosmostation銘柄一覧
参照:Cosmostation

バイナンス(Binance)やコインベース(Coinbase)をはじめとした 大手取引所がバリデータ事業を行っており、このような数種のプロトコルに絞って戦略を練るバリデータプールも増えることが予想されます。

参考
Introducing Keystation — end-to-end encrypted key manager for dApps built with the Cosmos SDK

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