
米Coinbase(コインベース)の発表によると、イーサリアム上で発行しているUSDにペッグするステーブルコイン USDCをCoinbaseで保有するユーザーに対し、1.25%の年利を付与すると発表。同社は9月、USDCを利用したイーサリアム上での分散金融、通称DeFi促進のためにUSDCをコントラクトへ直接投資するファンドのたち上げを行っていた。
関連記事:【墨汁速報】異例!?CoinbaseがイーサリアムのDeFi促進のため200万USDCを投資
USDCの金利獲得条件は?
Coinbaseは基本的に金利の存在しない仮想通貨に、トレードだけでなく金利を得ることによる仮想通貨のさらなる促進をゴールにしているという。
10月3日にローンチされたUSDC報酬プログラムにおいて、CoinbaseにUSDCを保有しているユーザーは年利1.25%の金利を得ることができるという。残念ながら現時点でこのUSDC金利を得られるのは米国籍を持つなどの米国ユーザー向けであり、日本は対象外となっている。
Coinbaseによると、この1.25%の金利はレンディングによる金利ではないため、CoinbaseはPoloniexやBitfinexのようにトレーダーに貸付たりすることはなく、運用をすることもないという。
加速するDeFiとステーブルコイン
金利はリアルタイムで得ることができ、
「未来の金融を体感できる」
とCoinbaseは述べている。世界中に広く使われているステーブルコインは、テザー社による発行のUSDTだが、その裏付けとなるUSD資産が1対1ではないことから、2018年にUSDCやPaxosによるPAX、ウィンクルボス兄弟のGemini取引所のGUSDなど複数存在する。
EtherscanによるとUSDCは10月3日現在、約4.3億ドルが発行されており保有者は6.6万アドレスにものぼる。DeFiの火付け役となったイーサリアムのコントラクトを使用したレンディングCompoundには3011万USDCがレンディングされており、年利5.33%もの人気を誇る。
出典:Etherscan.io
またUSDCやUSDTなどの中央集権なステーブルコインに対し、イーサリアム価格により裏付けされた世界初の中央管理者の存在しないDAOステーブルコインであるDAIには、188.9万ETHのうち約150万ETHがDAI価格の裏付けのためにロックされている。
この数値はETH発行数全体の約1.4%をも占め、Compoundでは8%もの年利を誇る人気っぷりだ。Coinbaseは1.25%と年利は低いものの、Compoundのような一般人に馴染みのないコントラクトより、取引所という参入障壁の低く利用しやすいサービスを提供することで、仮想通貨ユーザーの獲得とDeFiを促進する目的であると見られる。
出典:Compound
参考:Start earning crypto rewards on Coinbase today