ネム(NEM)カタパルト移行手続きQ&A:利用者は手続きに注意

先日、ネム(NEM)ブロックチェーンのカタパルト移行について移行委員会からアップデートが発表された。アップデートでは、カタパルト移行に関する疑問点について考え方や解答が発表された。その内容について触れていきたいと思う。

同時に発表された移行スケジュールについてはこちらの記事でまとめているので、参考にしてほしい。

関連記事:ネム(NEM)カタパルト移行委員会から、移行に向けた修正スケジュールや詳細が発表

移行アプローチのハードル

NEMカタパルトはプログラムをゼロから書き直されており、今までのNIS1(NEM Infrastructure Server)との互換性を意図していない。カタパルトはすべてのトランザクションを再定義する。NIS1とは異なる署名スキーム、アカウント、マルチシグ情報を使用する。

カタパルトのパブリックネットワークをできるだけ早く立ち上げることについて議論する一方で、パートナー、取引所、サポーターに関して問題が発生した。NIS1チェーン上でビジネスプロセスを実行できてしまうことから、関係各所が期日までにソフトウェアをアップデートする可能性は低いと考えられる。

つまり、NEMカタパルトは現行で稼働しているNEMのチェーンと異なるものであり、パブリックネットワークの立ち上げ期日までに、取引所などのNIS1チェーン利用者はソフトウェアのアップデートをしなければならないが、現実的に厳しいと判断しているようだ。

残高やマルチシグアカウントなどの各種コピーだけを作成する理由

NIS1のネイティブトークンであるゼム(XEM)については過去の残高データがあるため、特定のブロックにおけるウォレット内の残高を照会できるものの、XEM以外のモザイクでは不可能となっている。そのため、移行プロセス中には、特定のブロックで残高のスナップショットを取得する必要がある。

既存のマルチシグコントラクトをコピーできるか?

可能であるが、カタパルトはマルチシグアカウントに非互換性を導入しているため、所定の操作をしなければならない。NIS1で運用していたマルチシグコントラクトをカタパルトで再作成するには、エンドユーザーの操作が必要になる。

ネームスペースをコピーできるか?

カタパルトのパブリックネットワークにて、NIS1で作成された不明なネームスペースが残るリスクを減らすために、ネームスペースの移行手続きを行うことが推奨されている。NIS1上でのネームスペース所有者には、カタパルトのネームスペース登録トランザクションの起動前に署名する権利が与えられる。そして、その情報はNEMカタパルトチェーン最初のブロックであるネメシスブロックに含まれる。

移行への対応には注意が必要

NEMのカタパルトは、現行のNEMブロックチェーンとは異なるプログラムであることから、移行に際して問題点や疑問点が考えられる。現行のチェーンでモザイクやネームスペース、マルチシグなどを利用してきたユーザーや開発者などは、注意する必要があるようだ。

ネム(NEM/XEM)の価格・相場・チャート

参考
Migration Committee Update #2

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