
ビットコイン(BTC)価格が2019年9月24日から25日にかけてあっという間に1万ドルを割り込み、7,660ドル(約83万円)の最安値を付け、以後抵抗線の8,300ドル(約88万円)前後で終始しています。市場が弱気に転じた理由は、特にバックト(Bakkt)のビットコイン先物取引が、ビットコイン価格にプラスなるとの市場の大方の予測に反した結果だという見方が広がっています。
仮想通貨の価格変動予測指数で最悪の「極度の恐怖」とは
この数カ月の価格変動をかなり正確に予測できたら、投資家にとっては有力な情報となります。市場のパニックの程度を示すインデックス(指数)に「暗号資産(仮想通貨)の恐怖と欲望インデックス(Crypto Fear and Greed Index=CFGI)」がありますが、今回のビットコイン価格の暴落によってCFGIがにわかに注目されています。
CFGIは0から100で分類され、その数字が小さくなればなるほど投資家の恐怖感が強いことを表しますが、CFGIは8月22日には5の「極度の恐怖(Extreme Fear)」を示しました。これは投資家が恐れおののく程度を示す指数ですが、同時に買い出動のチャンスでもあると受取れます。
従来のOBV指数やロング/ショート比率も恐怖の下落を予測
価格変動を予測するのに仮想通貨のテクニカルな分析に頼るトレーダーは、そのような下落は予想の範囲内だったと語ります。Twitter上でIncome Sharks名で知られるアナリストは、事前に価格の下落を予測するのに、差し引き計算ボリューム(数量)を意味する株式価格変動を予測するオン・バランス・ボリューム(On Balance Volume=OBV)指数を利用しています。
OBV指数は、市場に出回る数量の動きに基づいて、発生前にそのトレンドを予測する方法です。OBVはビットコイン価格が8月以来動き始めた水平的経路を観察し、下限の抵抗線以下になった時、大規模下落の始まりだと予測しました。予測は見事に当たっています。
$BTC still in the same horizontal channel on the daily. OBV looking really weak and really struggling to stay in the channel. If OBV can't break up soon we could see a bigger drop. pic.twitter.com/NwMrJ8rk5z
— Income Sharks (@IncomeSharks) September 24, 2019
過去1年のCFGI指数は恐怖と欲望の変動を歴然と表示
危険信号の赤旗が振られる前に予測するテクニカルな分析のほかに、仮想通貨取引所OKExが採用しているロング/ショート比率(Long/Short ratio)もまた、価格変動の予測に役立ちます。一定期間の売り買いであるショートとロングの比率が高いと、空売りを含む売りポジションで利益が上がっており、それが大きな売りの始まりの兆候であるという見方です。
OKExのロング/ショート比率は、9月25日のビットコイン大量売却直前に2.0に上昇しました。OKExは、この比率は8月にも同様の売りを予測できたと語っています。
CFGIインデックスは、ウェブサイト、ソフトウエア比較会社のAlternative.meが制作したものです。ボラティリティとトレンド、市場取引量、ソーシャルメディア、占有率などのパラメーターを計算に入れます。ちなみに0は「パニック状態(極度の恐怖)」、100は「極度の確信(強い満足)」を表しています。Facebookがリブラ(Libra)発行計画を発表した19年6月には、CFGIは90を超えて「極度の欲望(Extreme Greed)」を示しました。
参考
・Greedy When Others Are Fearful?
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