国際送金最大手ウエスタンユニオンがついに仮想通貨取り扱い開始か

国際送金など金融・通信サービスの米最大手ウエスタンユニオン(Western Union)が、決済処理に仮想通貨を利用することに強い関心を示している。

ウエスタン・ユニオン・グローバル・マネー・トランスファー(Western Union Global Money Transfer)のオディロン・アルメイダ(Odilon Almeida)社長がこのほど、ロイター・プラス(Reuters Plus)のインタビューに応えました。ウエスタンユニオンは、個人対個人の決済サービスを世界の200カ国以上で扱っており、国際決済の最大手金融機関です。

仮想通貨は通貨の1つ、資産の選択肢になるとアルメイダ社長

アルメイダ社長はロイター通信に対して、仮想通貨が世界的に広く受け入れられるようになることを条件にして、法定通貨に交換したいユーザーの選択肢として、長い間仮想通貨を選択することを考えてきたと、次のように語りました。

「ウエスタンユニオンは今日、どのような種類の通貨でも採用する用意がある。当社はすでに、130の通貨を取り扱っている。ある日当社プラットフォームに仮想通貨を導入することが正しい戦略であると感じることになれば、仮想通貨は技術的に見てもう1つの通貨だ。私は仮想通貨が人と企業の間で交換される世界の通貨あるいは資産の1つの選択肢になりうると考えている。そのような事態になれば、われわれは取り扱いを開始する用意がある」

仮想通貨市場は現在、決して良好な状態ではありませんが、仮想通貨が在来の(金融)機関より優れて手ごろな価格でサービスを提供するならば、将来採用される大きな可能性があります。ウエスタンユニオンのような経験豊富な企業が、仮想通貨の採用を考慮することは良い兆候と言えます。

リップル(Ripple)の決済ネットワーク利用テストで当初は好結果生まれず

しかし同社長は、仮想通貨の大量採用までには3つの問題、つまりボラティリティ、ガバナンス、コンプライアンスがあり、ドルや金などと連動するステーブルコインなら問題の解決に役立つだろうと語っています。

リップル(Ripple)のような仮想通貨企業は、世界中で行われている決済サービスの提供ですでに、非常に大きな競争力を持っています。世界中の銀行やその他金融機関を含む数百の顧客が、迅速かつ安価な手数料の決済手段としてRippleのプラットフォームを利用もしくはテスト中です。

ウエスタンユニオンは2018年6月、リップルのブロックチェーン技術をテストしましたが、決済のための技術として導入するコスト効率を確認できませんでした。同社のヒクメット・エルセック(Hikmet Ersek)最高経営責任者(CEO)は当時、テスト結果についてフォーチュン(Fortune)紙とのインタビューに応えて、「当社は費用対効果がないといつも批判されているが、テストでその効率の一部でも見つけられなかった。実用上それはまだ高価すぎる」と語っていました。

6カ月で仮想通貨受け入れへ180度転換

エルセックCEOとアルメイダ社長との見解は正反対ですが、注目しなくてはならないのは、両者の発言の間に6カ月が経過していることです。その間リップルの国際決済ネットワークが技術的にかなりの前進を見たことは明らかです。

今年の6月に開催された「Money 20/20」カンファレンスで、リップルのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOは「多くの銀行が2019年までにXRPを利用するようになる」と発言していました。その後、同社の国際送金ネットワークである「Ripple Net」に新たな金融機関の加入が続き、現在では日本をはじめ世界40カ国以上から200社を超える企業が参加しています。

ウエスタンユニオンの国際送金事業責任者であるアルメイダ社長の発言は、このような背景の中で仮想通貨を取り扱う可能性を前向きに示したものとして注目されます。

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参考
ZyCrypto

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